MT4に最初から入っているフィボナッチファン。
名前くらいは知っている方も多いのではないでしょうか?
トレンド用の相場分析で、複数のラインを同時に表示する相場分析ツールです。
多くの人がフィボナッチリトレイスメントを使う一方で、フィボナッチファンの利用者は少ないのが現状です。
しかし、フィボナッチファンを使いこなせると、相場の反転ポイントが分かるようになるので、気になる方はぜひご覧ください。
Contents
フィボナッチファンとその仕組みについて
フィボナッチ・ファンとは、フィボナッチ・リトレースメントによって指示された一連のポイントを通して、谷またはピークから描かれる連続したトレンドラインのことです。
一体何を根拠にラインが引かれているのか?と思われるかもしれませんが、実はフィボナッチリトレイスメントとほぼ同じなのです。
下のチャートをご覧ください。
これは、フィボナッチファンとフィボナッチリトレイスメントを同時に表示したものです。
両者とも起点と終点を同じにしています。
フィボナッチリトレイスメントとフィボナッチファンが重なるところに縦線を引いていますが、両者の38.2と38.2、50と50、61.8と61.8がクロスしています。
これは何を意味しているのかというと、
- フィボナッチファンは、始点と終点より求められたフィボナッチリトレイスメントの値を利用している
- 始点から各フィボナッチリトレイスメントまでを結んだものがフィボナッチファンである
と言うことです。
フィボナッチファンで表示されるラインは、始点から終点にかけてのフィボナッチ・リトレイスメントの推移を示すラインとも言えます。これをさらに延長して表示することで、今後のトレンドがどこまで押すか?を予測するツールとなるのです。
フィボナッチファンの見方と使い方
フィボナッチファンを使うことで相場のトレンド方向や反発しやすい価格を知ることができます。
以下は上昇トレンドの始点から序盤の高値に向けてフィボナッチファンを描画したものです。
この期間に描画したフィボナッチファンは、その後もしっかりと意識されており、ラインに近い所で反発していることが分かります。
フィボナッチファンは押し目買いや戻り売りに使えると言われていますが、個人的にはトレンドが頂点や底を付けてから一時的に反転してくるポイントを見分けるのに使えると思っています。
もちろん他の指標を使うこともお勧めしますが、一つの判断材料となるでしょう。
MT4でのフィボナッチファンの利用方法
MT4でのフィボナッチファンの使い方を解説します。
まずはチャート上の「挿入」⇒「フィボナッチ」⇒「ファン」と選択します。
それからトレンドの起点をクリックして終点までドラッグアンドドロップします。
フィボナッチファンを使うテクニック
ここからは個人的にお勧めなフィボナッチファンの使い方について解説します。
まずはチャートに21期間2σのボリバンを表示します。
その中で、バンドの-2σからプラス2σまで上昇したスイングを見つけて、そこをフィボナッチファンの起点と終点にします。
このチャートの白い〇が起点と終点です。
チャートでは、この高値を付けた後、押し目を付けてから更に高値を更新していっていますが、高値はいずれもフィボナッチファンに押さえられています。
最初の高値は38.2のラインで止まり、次は50のラインで高値が止まり、次は61.8のラインで高値が止まっています。
このようにボリバンの-2~+2σ間のスイングを起点としてやると、上手くフィボナッチファンを当てられます。
これを利用することで、トレンドフォローをする際の利食いに使えます。
また、状況に応じて逆張りエントリーする際の参考にもなるでしょう。
他の例1
他の例も解説します。
これは、起点と終点をした後に高値を更新して、常に38.2のラインまで上昇して来るパターンです。
これはかなり勢いが強いのですが、高値更新で3回以上38.2のライン付近まで上昇してきた場合は、急なトレンド転換が生じることが多いです。
上のチャートでも最後にチャネルを割った後に下げていますよね。
逆に言うと、フィボナッチファンの38.2⇒50⇒61.8と高値を更新する日に反発するラインが変わるケースでは、その後もトレンドが続く可能性が高いです。
まとめ
今回はフィボナッチファンについて解説しました。
フィボナッチファンの利用者は少ないかも知れませんが、使いこなすと相場の状況が非常にクリアになることもあります。
ただ、トレンド用の指標なのでレンジ相場で利用しても役に立たない点は事前にご理解ください。
フィボナッチリトレイスメントだけでは物足らない方にぜひお勧めします。