今回はウォルフ波動について解説します。

「波動」と名の付くテクニカル分析では「エリオット波動」が有名ですが、ウォルフ波動も一部のトレーダーから熱烈な支持を受けているチャート分析方法です。

ウォルフ波動を使うとエントリーポイントや利確ポイントが掴みやすくなるのが特徴で、上手く利用すれば高いリワードリスク比率のトレードも可能になります。

しかし、ウォルフ波動の見つけ方を覚えるのは少し難しく、慣れるまでに検証が必要です。

そこで本記事ではウォルフ波動のメリットやデメリット、波動の見つけ方、エントリーや決済のポイント決め方など、ウォルフ波動初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

ウォルフ波動って何?という方や具体的な使い方を知りたい方はぜひご覧ください。

ウォルフ波動とは

ウォルフ波動とは、投資家の活躍したビル・ウォルフ(Bill Wolfe)と、その息子であるブライアン・ウォルフ(Brian Wolfe)によって考案されたテクニカル分析方法です。英語ではwolfe waveと呼びます。

高額な投資本として有名な「リンダ・ラリーの短期売買入門」で世界で初めて公開され、その後は多くのトレーダーを惹きつけています。

物理学の基本であるニュートンの運動第3の法則の「作用・反作用の法則」を基軸としており、「トレンドが強ければ強いほど同じように反転する力も強い」という考えが根底にあります。

当然ながら相場は人が作り出すものですから、物理法則に完全に従うことはありませんが、ウォルフ波動の考えに合う動きをすることは頻繁に確認できます。

ウォルフ波動を使う基本的なエントリーはトレンドからの逆張りです。
相場が上昇しているのであればショート、上げているのであればロングを狙います。

逆張りなんて・・・と思う方もいるかもしれませんが、逆張りをしなくても相場の天井や底の目途が付けられるのは大きなアドバンテージになります。

ウォルフ波動の見つけ方・引き方

ウォルフ波動はシンプルなようで見つけるのは簡単ではありません。
複数の条件をしっかりと満たしているかを判断しながら判定していきます。

より分かりやすくするために買いパターンと売りパターンの両方で解説していきます。

買いパターン

買いパターンの条件は以下の通りです。

  1. 相場が下降トレンド中で、出来れば底と思われる辺りで高値と安値を切り下げる
  2. ジグザグはウェッジのような推移をしている
  3. ウェッジの下限にタッチする

詳しく解説していきます。

相場がトレンド中で、出来れば天井や底と思われる辺りで高値と安値を切り下げる

ウォルフ波動は明確なトレンド相場で出現します。
(レンジ相場では機能しないので、明らかにレンジな時は仕様を避けてください)

できれば既にある程度下降トレンドが進んで、高値圏や安値圏を推移している時に上記のような①⇒②⇒③⇒④と高値と安値を切り下げるジグザグのような流れが出現するのが理想です。

高値と安値を切り下げる動きですが、以下の点も満たすことも条件になります。

  1. ③は①よりも価格が下
  2. ④は①より価格が上

これらが揃っていなければ、ウォルフ波動にはなりませんので注意してください。

ジグザグはウェッジのような推移をしている

ジグザグの流れの頂点や底を結ぶと、先が狭くなっていく「ウェッジ」のような流れになることも大事な条件です。
これは徐々に範囲が狭くなって反転するためのエネルギーを蓄えている状態と解釈します。

逆に先が広がっていると、トレンドが更に進む可能性がありますので注意してください。

ここまでしっかりと確認できたら①と④を結んでラインを引きます。

これでセットアップは完了です。
(まだエントリーではありません)

ウェッジの下限にタッチする

④までの値動きが確認できて、しっかりとウェッジを形成していたら、次にウェッジの下限に当たったところでエントリーします。

再度ウェッジの下限に当たったポイントを⑤として、⑤でエントリーとなります。

ここからウォルフ波動の面白い所で、利食いターゲットは①と④を結んだライン上に到達したポイントになります。

赤いラインが利食いターゲットになりますが、具体的な利食い価格は分かりません。
ただし、早く到達すれば利幅が小さく、ゆっくりと時間をかけて到達すれば利幅が大きくなることになります。

売りパターン

では売りパターンについても見ていきましょう。

  1. 相場が上昇トレンド中で、出来れば天井と思われる辺りで高値と安値を切り上げる
  2. ジグザグはウェッジのような推移をしている
  3. ウェッジの上限にタッチする

相場が上昇トレンド中で、出来れば天井と思われる辺りで高値と安値を切り上げる

できれば既にある程度上昇トレンドが進んで、いつ転換が入ってもおかしくない高値圏を推移している時に上記のような①⇒②⇒③⇒④とジグザグのような流れが出現するのが理想です。

高値と安値を切り上げる動きになりますが、以下の点も満たすことも条件になります。

  1. ③は①よりも価格が上
  2. ④は①より価格が下

ジグザグはウェッジのような推移をしている


ジグザグの流れの頂点や底を結ぶと、先が狭くなっていく「ウェッジ」のような流れになることも大事な条件です。

これは徐々に範囲が狭くなって反転が近いことを示唆しています。

ここまでしっかりと確認できたら①と④のレートにラインを引きます。

これでセットアップ完了です。

ウェッジの上限にタッチする

④までの値動きが確認できて、しっかりとウェッジを形成していたら、次にウェッジの下限に当たったところでエントリーします。

買い条件と同じく利食いターゲットは①と④を結んだライン上になります。

以上がウォルフ波動のルールと見つけ方になります。
ウォルフ波動がどういったものかが理解できたかなと思います。

ウォルフ波動のメリット

ウォルフ波動について知ってもらった上で、ウォルフ波動のメリットについて解説します。

  1. エントリーポイントと利食いポイントが事前に分かる
  2. 相場の天井や大底が予測できる
  3. 高いリスクリワードのトレードが出来る
  4. 他の手法とも相性が良い

それぞれについて解説していきます。

エントリーポイントと利食いポイントが事前に分かる

ウォルフ波動は事前のセットアップの条件さえ確認できたら、あとはエントリーと利食い・損切りのレートが分かります。

これは大きなメリットで、しっかりと戦略を考えた上でトレードポイントが分かるため行き当たりばったりのトレードをしなくて済みます。

相場の天井や大底を予測できる

ウォルフ波動はトレンド逆張り手法です。
必然的に天井や底を予測することになります。

「トレンドで逆張りするなんて・・・」と思ってウォルフ波動を避けたり否定するのはもったいないです。

なぜなら、ウォルフ波動のエントリーポイントは、相場の天井や底になる可能性が高いわけですが、そこでポジションを取らなくても、トレンドフォローの利食いポイントとして利用できるからです。

上昇トレンドに乗ってロングポジションを持っていたとして、ウォルフ波動の⑤まで来たら利食う、という戦略を取るだけで、最大の含み益の状態で利食いできるわけです。

優位性のあるエントリーポイントは優位性のある利食いポイントとして使えるわけですね。

高いリスクリワードのトレードが出来る

ウォルフ波動は相場の天井や底でエントリーしますので、損切り幅は比較的狭く設定できる一方で、利食い幅大きくなる傾向にあります。

これは必然的に高いリスクリワードのトレードが出来ることを意味し、多少勝率が低くても1度の勝ちトレードで大きく取り戻せることを意味します。

他の手法とも相性が良い

ウォルフ波動は他のトレード手法とも相性が良いです。

例えばエントリーポイントを満たしている時に、RSIなどのオシレーターがダイバージェンスを示していたら、より精度が高くなる・・・など、他のテクニカル指標と組み合わせることで、より信頼性を上げられます。

ウォルフ波動のデメリット

ウォルフ波動も良いことばかりではありません。
当然デメリットもあります。

  1. そもそも見つけるのが難しい
  2. 常に成功するわけでは無い

そもそも見つけるのが難しい

ウォルフ波動はトレンドの最高値や最安値から逆張りを仕掛ける手法です。

そもそも相場の7割はレンジ相場と言われているように、目立ったトレンドはそれほど頻繁には発生しません。そしてトレンド相場の終盤すべてでウォルフ波動の値動きをするわけではありません。

こういった点から、時間足を小さくすれば頻度は上がるものの、日足レベルで使うのであれば、年に数回程度しかエントリーチャンスは無いでしょう。

また、ウォルフ波動を見つけるにはコツと慣れが必要です。
しっかりと自信を持って「コレがウォルフ波動だ!」と思えるレベルになるためにも、過去のチャートを利用して検証する必要があります。

そういった意味では、結構な技術が求められる手法でもあります。

常に成功するわけでは無い

トレード手法では当たり前ですが、ウォルフ波動も完璧ではなく外すこともあります。

よく「ウォルフ波動は超高勝率」みたいなことを言う人がいますが、おそらく嘘です。
これはエリオット波動やハーモニックパターンのような、トレーダーの裁量判断が大きなトレード手法あるあるですね。

外れることはよくあることと考えて、外した時にどう対応するかを考えておくのもトレードです。

ウォルフ波動は損小利大のトレードができますから、外したとしても慌てずに次のチャンスを待ちましょう。

スイートゾーンについて

ここまで解説してきたようにウォルフ波動ではウェッジを形成してからトレンドの最高値や最安値である⑤で逆張りのエントリーをします。

しかし、高値や安値を切り下げるトレンド相場中だと、ウェッジのライン上でピンポイントで反転するとは限りません。

そこである程度の遊びというか判断の幅を持たせてやるとトレードがしやすくなります。
それがスイートゾーン(Sweet Zone)というものです。

②と④を含むウェッジと平行なラインを、③に当てて③から⑤のラインとの間をスイートゾーンとします。

通常であればウェッジラインでエントリーとなりますが、スイートゾーン内までであればエントリーできると考えます。そのため、スイートゾーンまで入って反転のローソク足パターンが見えたらエントリーすることで、より確度の高い形でトレードができます。

逆にスイートゾーンを勢いよくブレイクしていけば、その波動は失敗だったと判断してエントリーを見送ります。

このように、スイートゾーンを利用すればエントリー基準に幅を持たせることができる上に、明確な損切りポイントも見えてくるようになります。

勝率の高くなるウォルフ波動の見つけ方

ウォルフ波動のジグザグのパターンだけならよく見ることができますが、しっかりと条件を満たすものはそれほど多くはありません。

本当に勝率の高いウォルフ波動は以下の通りです。

  • トレンドが発生しており相場の高値圏や安値圏、反転しそうなポイントまで来ている
  • 波の間隔が狭くなる明確なウェッジを形成している
  • ウェッジの角度は低め

ウォルフ波動はトレンド逆張りですので、反転しそうなポイントまで到達してパターン形成したら勝率が上がります。

上位足のサポートまで来たところで下位足でウォルフ波動形成・・・となっていたら成功率が大きく上がります。

また、ウェッジの形や角度も大事です。

中途半端な形ではなくしっかりと先が狭くなっている必要はありますが、先が狭くなりすぎて三角保合いになっているのはダメですので注意してください。

更には角度が急すぎないパターンが理想です。
角度が急だとその分だけトレンドに勢いがあることを意味しますので、ダマシに合う可能性が高まります。

実践!ウォルフ波動を利用したトレード

ではリアルなチャートでウォルフ波動を見ていきましょう。

このチャートは買いの例ですね。
①~④までの流れはダウトレンドですが、ラインを結ぶとウェッジの流れです。

そして再度ウェッジにタッチした⑤でエントリーです。
ラインでピタリと反発せずにスイートゾーンに入ってから反発上昇していますね。

利食いは①と④を結んだ青いラインにタッチした所で利食いです。
リスクリワードとしては5以上は固いエントリーポイントでした。

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