FXに関わらず、投資をする上で絶対に忘れてはいけないが税金です。
なぜなら、利益に対する税率のおかげで最終的に手元に残るお金は大きく変わってくるからです。日本人トレーダーでも、この税金を嫌ってシンガポールのようなFX取引に対して税金がかからない国に移住する人もいるくらいです。
では、海外FXの税率は一体どんなモノなのでしょうか?
今回は海外FXにかかる税金について解説していきます。
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海外FXの利益は雑所得に分類される!
まず最初に結論から書きますと、海外FXの利益は雑所得となります。
雑所得とは以下のように説明されます。
雑所得(ざつしょとく)とは、所得税における課税所得の区分の一つであって、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得をいう(所得税法35条)。
ちょっとわかりにくいかも知れませんが、まぁ所得の一つと考えてください。
大事なのはどうやって税金がかかってくるか?ですので。
雑所得は他の給料等の所得と合計して課税される「総合課税」になります。
つまり、給料が年間で500万円、海外FXで500万円稼いだ場合、合計の1,000万円に対して課税されるのです。
所得税の課税額は以下の通りです。
所得が増えるにつれて税率が上がる累進課税となります。
4,000万円を超えると45%の所得税がかかってきます。
日本の税率は高いですねぇ・・・。
しかもこれだけではありません。日本には「住民税」なるモノがあります。
住民税は、所得の1割に対して課税されますので、例えば4,000万円以上の所得がある場合は、所得税45%+住民税10%のトータル55%が「税金」の名の下に国に取られることになります。
最大で55%
例 給与所得が500万円、海外FXの利益が500万円の場合
給与所得が500万円で海外FXの利益が500万円の場合、年間所得は1,000万円です。
給料は源泉徴収なのでここでの計算は省きますが、海外FXの利益が500万円にかかる税金は所得税114万円+住民税34万円=約148万円となります。
海外FXの利益だけでなく、仮想通貨取引で得られた利益も雑所得になります。
そのため、海外FXと仮想通貨取引は損益の通算が可能です。
例えば海外FXで1,000万円の利益があり、その一方で仮想通貨取引で1,000万円の損失がある場合は、それらをトータルすれば0円になりますので、税金がかかることはありません。
しかし問題はありません。
確定申告時に「普通徴収」を選択すれば、会社にバレる事はありません。
海外FXの税金のまとめ
- 海外FXの利益は雑所得になる
- 雑所得は他の所得と合計して課税される
- 税率は所得金額によって異なるが、稼ぐほど多く取られる
海外FXの場合、後述する国内FXと比べて稼げば稼ぐほど税率が上がります。
コレが大きなデメリットとなりますが、ハイレバレッジが使える分、稼ぎやすい一面もあるのも事実です。
海外FXと国内FXは税率が異なる
海外FXは雑所得になるという話でしたが、これが国内業者のFXの利益となると話が違ってきます。
国内業者のFXの利益は、株式や先物と同じく「申告分離課税」となります。
申告分離課税とは、雑所得のように他の所得と合算して課税されるのではなく、FXならFXだけの利益に対して課税がなされるのです。
しかも税率は一律約20%!(所得税と住民税あわせて)
10万円稼いでも、1億円稼いでも税率は2割程度です。
この点は明らかに国内業者の方が有利です。
きっと金融庁が国内業者と海外業者を差別化するために便宜を図っているのでしょう。
海外業者:総合課税
この違いは、利益が大きくなるほどに明確になります。
しかし、総合の年収が900万円超えるまではそこまで大差ありません。
ですから、給与所得500万円の方がFXで300万円くらい稼ぎたい場合は、高いレバレッジも使えてゼロカットも備わっている海外業者の方が良いかと思います。
海外FXは税金を払わなくてもバレない?脱税できる?
よく、「海外FXは税の申告をしなくても大丈夫!」と言ったコメントを匿名の掲示板等で見ることがあります。
これを真に受けてはいけません。
海外FXの場合、確かに海外の業者との取引になるため、国によっては日本の国税庁の手が届かない場合もあります。しかし、海外FXの利益を使用する際は、入金・出金をする必要があります。
XMの場合、クレジットカード、海外銀行送金、bitwallet、STICKPAYなどの入出金方法に対応していますが、どれも銀行やカード会社などを利用する事になります。
100万円以上の海外送金については、金融機関は税務署に「国外送金調書」を提出しなくてはいけません。つまり、海外業者が国外にあったとしても、金融機関を使ったお金の流れで全てを把握されてしまうのです。
日本の国税庁は非常に優秀です。
「自分だけは大丈夫じゃ・・・」と思ってはいけません。
みんなそう思って摘発されています。
下手に脱税をやるくらいなら、合法の範囲内で「節税」を心がけるべきです。
納税額をできる限り減らすためにも「経費」を頭に入れておこう
海外FXで稼いだお金を申告しなかったり、申告額を低くする「脱税」は絶対にやってはいけません。
しかし、FXでも認められる経費があります。
例えばこのようなものです。
- 入出金に関する振込手数料
- 筆記用具などの消耗品
- パソコンの購入費
- 新聞代、関連雑誌代などの図書費
- 電話代、プロバイダ使用料、切手代などの通信費
- 為替取引会社の社員との軽い飲食代などの会議費
- 為替セミナー等へ行く際の交通費
- 個人事業の開業届提出済みの場合、家賃や光熱費等
海外FXの経費や確定申告に関しては以下の記事に詳しく書いていますのでご覧ください。
FXで税金を意識し始めるのは、利益が出はじめたときです。
しかし、その時では既に遅いことも多いです。
また、納税額が多い場合はふるさと納税も積極的にやりましょう。
ふるさと納税は納税額が減るわけではありませんが、特産品を貰えるため、実質的な「減税」になります。
海外FXで稼ぎまくれるのであれば法人化してプロップファームを作ろう
海外FXは稼げば稼ぐほど税率が上がります。
これが大きなデメリットですが、合法的に税率を下げる手段として「法人化」があります。
通常は個人の名義で口座を開いてトレードしていると思いますが、法人化して法人格として口座を開いてトレードすれば、所得税ではなく法人税を納めることになります。
個人の所得税と法人税の違いは、その税率です。
所得税は上記の通り、最大で45%も取られますが、法人税では23.4%まで下がります。(中小法人で800万円を超える法人税率の場合)
毎年数千万円稼ぐトレーダーであれば、法人化してプロップファームを作った方が圧倒的に税金が安くなります。
また、法人化することで個人では難しい様々な税金対策も使えます。
海外FXをやっている方の最終的な目標の一つは、法人化してプロップファーム化だと個人的に思っています。
海外FXに関する税金のまとめ
以上、海外FXにまつわる税金のお話でした。
再度まとめると以下のようになります。
- 海外FXは雑所得で累進課税
- 国内FXは申告分離課で一律約2割
- 海外FXと言えど脱税は不可能
- 常日頃から経費を意識して節税を心がけよう
海外でも国内でも、FXで利益が出たら税金からは逃れられません。
しっかりと税制を理解して、合法の範囲内で節税するように心がけておきましょう!