FX市場全体のボラティリティが低下してくると、人気が高まってくるのがゴールド(XAU)です。
ゴールドはその名前の通り「金」の取引で、我々にとってもなじみの深いCFDで、通貨ペアには無い、非常に高いボラティリティが特徴です。
X(Twitter)を見ても「ゴールドのトレードで○○万円プラス!」といったツイートをよく見かけるため、FXトレーダーの中にもゴールドが興味ある人も多いと思います。
そこで本記事では
- ゴールドのトレード方法
- ゴールドの特徴や注意点
- ゴールドの値動きの読み方
など、ゴールドでトレードする上で大切な前知識について解説していきます。
ゴールドはボラティリティが高くトレンドも出やすいので、ハイレバレッジと組み合わせることで短期間で大きな利益を狙うこともできます。
ただし、知識を持っておかないと一気に資金を飛ばしてしまう危険性もありますので、正しい知識を持ってトレードしましょう。
本記事ではゴールドの基本から値動きの特徴まで詳しく解説していきます!
Contents
ゴールドのシンボルについて
XAUが金
FXではアメリカドルは「USD」、日本円は「JPY」、ユーロは「EUR」といった感じでアルファベット3文字で通貨名を示します。この表記方法を通貨コードと呼びます。
通貨コードは世界共通でISO 4217で定められています。
ゴールド(金)の通貨コードは「XAU」で表記されます。
意味としてはXは貴金属のコードであることを示し、AUはゴールドの元素記号になります。
ちなみに他の貴金属の通貨コードは以下のようになります。
- 銀:XAG
- プラチナ:XPT
- パラジウム:XPD
ゴールのペア
FXの通貨ペアと同じく、ゴールドで取引する際は通貨ペアで取引することになります。
例えばXAUUSD(ゴールド/ドル)、XAUJPY(ゴールド/円)といった形です。
ゴールドの通貨ペアは通貨の数だけペアがあることになりますが、FXやCFDで最も取引されるのがXAUUSD(ゴールド/ドル)になります。
ゴールドのpipsについて
ゴールドの価格は1000ドル以上ですので、ユーロドルやポンドドルと比べると桁が3つほど異なります。
そのため、XAU/USDはEUR/USDやGBP/USDのpipsの数え方も異なります。
ユーロドルやポンドドルの1pipsとゴールドの1pipsの違いについて具体的に解説していきます。
ユーロドルやポンドドルの1pips
ユーロドルやポンドドルといったドルストレートの通貨ペアにおける1pipsは、小数点4桁目の値になります。
そもそもpipsとは「percentage in point」の略で、発行されている実通貨の最低額の100分の1を意味します。
例えば米ドルで言えば、ドルの下にセントがあります。
1ドル=100セントです。
この1セントの100分の1が1pipsになりますので、ドルの小数点4桁が1pipsになります。
これと同じ理由で、円については発行されている実通貨の最低額は1円ですから、その100分の1である1銭が1pipsになるのです。これについては、FXを長くやっていても知らない人多いですので、ぜひ他のトレーダーに教えてドヤってください。
ゴールドドルの1pips
通常の通貨ペアでは1pipsは10000分の1ドルでした。
しかし、これだと1オンスの価格が1000ドル以上のゴールドでは動きが小さすぎます。
そこでゴールドドルでは、1pipsの値幅は10分の1ドル、つまりは10セントとなっています。
ゴールドでトレードする人は最初は戸惑うかと思いますが、0.1ドル、つまりは10セントが1pipsになることを覚えておいてください。
pip値計算ツールについて
FXやCFDをやる上で、取引ロットにおける1pips当たりの損益がいくらになるかを把握しておくことは非常に重要です。
なぜなら、1pipsでいくらの損益になるか分かっていれば、ロット計算やリスク管理などが容易にできるからです。
XMでは各通貨ペアにおいて、1pipsがいくらになるかの計算が簡単にできます。
リンクをクリックすると以下のようなページなります。
通貨ペア、口座の基本通貨、口座タイプ、ロット数量を入力すると、自動で1pips当たりの損益が計算できます。
上の画像では、口座の基本通貨は日本円、100万通貨でXAU/USDのポジションを持った時に、1pipsの値幅で変動する損益値を求めたものです。
計算結果はピップ値に示されており、このケースでは1pips当たり14797.80円の損益が出ることになります。
とても便利ですよ。
ゴールドの特徴について
ゴールドの大きな特徴であり魅力となっているのが「ボラティリティが非常に大きい」ことです。
ボラティリティが大きい通貨として「ポンド」がありますが、そのポンドをしのぐボラティリティがゴールドにはあるのです。
1日平均して200pips以上は動きますし、日によっては軽く500pips以上は動きますので、大きな利幅が狙えます。
しかしその反面、資金管理に失敗すれば1回のトレードで大きな損失を被ることもあります。
ボラが大きい=トレードで絶対的に有利というわけではありませんので、適切な資金管理戦略とそれに合った手法を使いながらトレードすることが非常に重要になります。
ゴールド相場が動く要因
需給バランス
一般的に「もの」の価格は、需要が供給を上回ると売り手優位となり、モノの価格が上昇します。反対に供給が需要を上回ると、買い手優位となりモノの価格は下落します。
金相場も同様に需給バランスに応じて価格が変動します。
金鉱山の生産量やスクラップ回収量、投資需要、中央銀行の売買量に左右されます。
為替動向
基軸通貨である米ドルの相場も金価格に影響を与えます。米ドルの価値が下がるとその代替資産として金が買われる傾向にあります。
また、金利にも左右され、金利が高い局面では金が売られ価格が下落以降となります。特に米ドルの金利状況に反応する場合が多いです。
地政学的リスク
地政学的リスクとは、テロや戦争、国の財政破綻、大手企業の倒産など、経済・政治が不安定になる状態なることを意味します。
リーマン・ショック時にも株価が下落し、世界経済が不安定になった際に一時的に金相場も下落しましたが「有事の金」といわれるように金が買われはじめ、現在も高騰を続けています。
ゴールドをトレードする際の注意点
ゴールドは通常の通貨ペアと少し異なる性質があります。
そのためFXに慣れている人でも注意しておくべき項目が3点あります。
- 低ロットでトレードする
- 世界経済のニュースについて敏感になり、常に確認しておく
- トレンドが出やすいので基本は順張りでやる
それぞれについて解説します。
低ロットでトレードする
前述の通り、ゴールドのボラティリティはFXの通貨ペアとは比べ物にならないくらいボラが高いです。
これはメリットにもデメリットにもなります。
メリットになる点としては、ボラが大きいためスプレッドに対して大きな利幅を狙いやすくなることが挙げられます。
例えば、XMでドル円のスプレッドは0.7~1.0pipsで、ゴールドドルのスプレッドは約4.0pipsです。
この数字だけを見ればゴールドドルのスプレッドが広すぎて話になりませんが、1日の値幅を考慮すると考えが変わります。
最近のドル円は1日に50pipsも動かない日もしばしばですが、ゴールドドルは平均して250pips以上、動く日は軽く500pipsは動きます。
ボラティリティとスプレッドを考えると、ゴールドのスプレッドは相対的に安くなるのです。
一方でデメリットとしては値幅が大きいため、ドル円などの通貨ペアと同じ感覚のロットでトレードしたら大やけどをします。数分で100pips程度動くこともザラです。
世界経済のニュースについて敏感になり、常に確認しておく
ゴールド(金)はいつの時代でも安全資産として認識されており、世界中でトレードされています。
そのため、世界経済の動きに影響を受けやすいです。
例えば、どこかの国で戦争が起こってしまった場合、安全通貨であるゴールドが買われやすくなりますし、逆に、世界経済が安定してくると、金は売られやすくなります。
また、それだけではなくゴールドは工業製品にも使われます。
金属ながらも化合しない非常に安定した物質で、柔らかく加工しやすい優れた特徴も持っています。
特に現在のIT社会ではスマホやタブレット、パソコン等で多くの金が利用されていますので、金の需要は高まっているのです。
下のチャートはゴールドドルの月足です。
長期にわたって上げているのが分かります。
長期目線でトレードするのであれば買い主体でトレードするのが良いでしょう。
トレンドが出やすいので基本は順張りでやる
ゴールドは一度トレンドを形成すると、長期間にわたってトレンドが続く傾向があります。
ひとたびトレンドが始まると世界中のトレーダーや実需筋がトレンドに乗ってエントリーしてきます。
反発してもすぐにレートが戻ってきますので、明確なトレンド終了が確認できるまでは、トレンドフォローを心がけましょう。
押し目買いが機能しやすい銘柄ですので、積極的に狙っていきましょう。
ゴールドの値動きの読み方
ゴールドの値動きには、以下の2点の特徴があります。
- ドルと逆に動きやすい傾向にある
- テクニカルが良く効く
詳しく解説していきます。
ドルと逆に動きやすい
ゴールドはドルと基本的には逆相関の動きになります。
「有事の金」と言われるように、経済が不安定になったり、何らかのショック時にリスクオフの動きとなった時に値上がりします。
例えば2008年のリーマンショック時や2016年のブレグジットショック時にはゴールドの価格が上昇しました。
その一方でドルはリスクオンの時に買われやすい銘柄です。
この関係性から
- 米ドルの価値が上がれば、金の価値が下がる
- 米ドルの価値が下がれば、金の価値が上がる
という傾向になります。
テクニカルが良く効く
ゴールドはテクニカル分析が良く効きます。
ゴールドは投資対象ではありますが、もちろん宝飾品や工業製品などの実需としても取引されています。
相場において実需取引の割合は、投機取引よりも圧倒的に少ないのですが、長期的なトレンドを作るのは実需です。
そして実需取引するにしてもチャートを利用している人は多いため、必然的にテクニカル分析も良く効きます。
特に水平線を使ったトレードは効果的ですので、ライントレーダーにこそゴールドのトレードお勧めしています。
ゴールドでトレードできるオススメFX業者
ゴールドドルはFX業者によってはCFDとして取り扱われることが多いです。
特に国内においてはCFD専用の口座を作らないとトレードできないことが多いですし、更にはレバレッジも低いです。
しかし、海外FX業者だと口座一つ持っていれば普通のFXでもゴールドでも株価指数でも手軽にトレードが出来てしまいます。
しかもハイレバレッジ&追証付きなので、大勝負を仕掛けることも可能(あまりお勧めはしませんが・・・)。
そんなゴールドでの取引可能な海外FX業者の中で特におススメなのが以下の3つです。
どれもゼロカット採用をしており、ハイレバレッジでトレードが可能です。
特にXMは1000倍のレバレッジで取引できますから、ゴールドのトレードをしたい方にとっては必須の口座と言えます。
現物の金が取引される市場とは?
最後にご参考までにゴールドが取引される市場について解説します。
金が取引される市場には大きく3つあり、イギリスのロコ・ロンドン市場、ニューヨークのCOMEX市場、東京商品取引所などで構成されています。
金の現物が多く取引されているのがロコ・ロンドン市場、先物取引の中心となっているのがCOMEX市場となっています。
COMEX市場
COMEXとは、ComodityExchange(商品取引所)を捩ったものですが、正しくは「ニューヨーク商品取引所」です。「ニューヨークCOMEX」または「N.Y.COMEX」と表記する場合もあります。
COMEXでは、商品の先物取引が中心となっており、現物の受け渡しが必要なく、差金決済で取引が完了できる点から、鉱山会社やヘッジファンドなどの投機からの活動が中心で取引高も多く、流動性が高いのが特長です。COMEXの値動きは世界でも注目される指標のひとつです。
ロコ・ロンドン市場
ロコ・ロンドン取引とは「ロコ」は現場渡価格を意味しています。
ロンドンは英国のロンドン市場を指します。マーケットメーカーと呼ばれる業者を中心とした2社間でのOTC取引です。基本的には、電話やロイター端末を使用して取引されます。