ローソク足のプライスアクションについて理解してきたけど、ダマシもあるんだよなぁ・・・。
ダマシを回避できる方法ってないなかな?

 

ローソク足のプライスアクションは、客観性や精度の高いチャート分析手段です。
しかし、必ず当たるというわけではなく、当然ながらダマシもあります。

ある程度ローソク足のパターンを学んだ人であれば、必ずダマシを回避する方法について知りたくなるのではないでしょうか?

ダマシの回避手段としては、他のインジケーターを組み合わせることが主流ですが、今回はVolumeを使ったダマシ回避方法を解説します。

 Volumeの示す「取引量」を参考にすることで、更に高次元な分析をすることが可能になります。

地味だけど有能なVolume

VolumeはMT4に最初から入っているテクニカルインジケーターの一つです。

チャートの下に赤と緑の線が表示され、それぞれが取引量を示しています。

緑はその一つ前の取引量よりも多いことを意味していて、長さが一つ前よりも長くなっています。赤は一つ前より取引量が少ない事を意味していて、長さも短くなっています。

  • 緑は一つ前のバーより長さが長い。一つ前のバーより取引量が多くなったという意味。
  • 赤は一つ前のバーより長さが短い。一つ前のバーより取引量が少なくなったという意味。

取引量が多いとは、それだけ活発に取引されているわけですので、単純に考えて、取引量の多いところで陽線になっているならば、買いの勢いがあると判断します。

逆に、取引量の多い所が陰線なら、売りの勢いがあると判断します。

 FXの取引量は株式市場と違って厳密な取引高を示すものではありません。
MT4のVolumesは足が確定するまでに何回ティックの更新があったかを示すものになります。これは、「取引量が多い≒ティックの更新頻度が高い」という考えに基づいています。
FXの詳しい出来高について知りたい場合は以下のリンクをご覧ください。
FX市場の出来高を知る方法

Volumeを使ってレンジ相場からのブレイクの勝率を上げる

Volumeとプライスアクションの相性は非常に良いです。
どちらとも直近の傾向を示し、次の足を含めた数本分の動きを予測するのに使われますし、お互いを組み合わせることでダマシの排除ができるのです。

そこでまず最初はレンジ相場からのブレイクについて解説します。

Volumeを使ったやり方で一番シンプルなのが、レンジからのブレイクを見極める時です。

それまで狭いレンジ内で動いていたローソク足が、勢いよくブレイクしてきた時に、それまでと比べて明らかにボリュームも大きくなってきたらブレイクの確度は高いです。

このチャートでは、ブレイク前から陰線が連続しており、その際の取引高もそれまでと比べて明らかに上がってきています。

これは典型的なブレイクアウトの予兆で、ブレイクしたローソク足の実体が大きい場合は自信をもってエントリーできる個所と言えます。

 逆に、レンジをブレイクした足のVolumeがそれほど大きくなければダマシになる可能性が高いと判断します。

プライスアクションとvolumeの組み合わせ

では次に有名なプライスアクションとvolumeの組み合わせの中で角度の高いポイントを解説していきます。

とても簡単なのにダマシを避けられるテクニックになりますので是非ご覧ください。

押し目の局面でピンバーが出現

上昇トレンドが発生し、その押し目の局面でピンバーが出現しました。

これだけでも押し目買いのエントリーポイントになりますが、更にボリュームも前の足と比べて大きく伸びていれば確度が飛躍的に高まります。

このチャートでは、緩やかな上昇の局面の中で押し目が発生し、黄色い四角のポイントでピンバーが出現しています。

ピンバーが出たところのVolumeを見ると・・・前の足やそれまでと比べて明らかに大きくなっています。

Volumeが大きくなるということは、それだけ取引が活発に行われたことを示します。つまり、多くのトレーダーが「ここから反発する!」と考えてロングエントリーを仕掛けてきたポイントと言えるのです。

そしてピンバーの次の足を見てください。

大陽線が出現し、更にはVolumeも大きく伸びています。この時点でトレンドは継続し、更に上昇することを示唆しているのです。

大きく上昇した後に十字線が出現

上昇トレンド中に実体の無い十字線が出現すると、トレンドが転換すると言われています。

なぜなら、十字線は市場の迷いを示すからです。
これにVolumeも加わると、より確度が高まるのは言うまでもありません。

このチャートでは超大陽線の出現後に実体の無い十字線が出ています。

超大陽線のVolumeはかなり伸びていますが、次の十字線は更に伸びています。

Volumeが伴った十字線は「多くの売買があった結果、上にも下にも行けないかった」という意味になりますので、その後は一度反転する可能性が高いです。

ひとつ前の超大陽線でロングエントリーしたとしても次の足がvolumeを伴う十字線となれば、とりあえず決済することをお勧めします。

包み線が出現

ある程度上昇が続いた局面で包み線が出ると、相場が反転すると言われています。

これも同じようにVolumeを見ることで角度を高めることができます。

 包み線とは、ひとつ前の足をすっぽりと包み込むプライスアクションのことです。

このチャートでは勢いよく上昇した後に包み線が出ています。
そして包み線のVolumeを見ると、ひとつ前の足よりも明らかに大きいです。

このような場合、包み線として機能する確率が格段に上がります。
次の足を見ると、それなりにvolumeのある陰線が確定していますが、この段階で本当に包み線が効いており、次以降もさらに下げることを示唆しています。

Volumeを検証するポイント

以上、Volumeとプライスアクションを組み合わせてダマシを避ける方法について解説しました。

一般的なインジケーターは、どれも過去の価格のデータを使用するため、相場が上昇すればどれも上昇しますし、下落すればどれも下落します。しかし、volumeは取引量を表示するため、価格と双璧を成す重要なデータになります。

今回の解説は多くのプライスアクションの中のほんの一部に過ぎません。
ぜひあなたのトレード手法にもVolumeを加えて検証してみてください。

絶対に新たな発見があるはずです。
最後に、ご自身で検証される際に気にしておいてほしいポイントをまとめます。

  • 小さなローソク足なのにvolumeが大きい場合
  • 大きなローソク足なのにvolumeが小さい場合
  • 最高値・最安値を更新した足なのに前よりvolumeが小さい場合

これらについて検証していくと、Volumeの使い方が見えてきます。
特に小さなVolumeから大きなVolumeに切り替わった時の意味を考えると良いでしょう。

ボリューム分析方法の一つとしてボリュームプロファイルがあります。
以下のサイトが分かりやすいです。

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