FXトレードを行うために欠かせないプラットフォームと言えば、MetaTrader(以下MT)シリーズ。
今回はMT5(MetaTrader 5)の特徴とMT4の比較、MT5の利用方法、そして、なぜ人気が無いのかまでを解説します。
今後のことを考えると、いずれかはMT4もMT5に完全に移行する日が来ると考えられます。そうなった時のために、MT4ユーザーもMT5についてあらかじめ知っておきましょう!
Contents
MT5とは
MT5は、MT4の次世代バージョンとして2011年にリリースされました。
MT4は2004–2005年に登場し、その使いやすさやカスタマイズ性から世界中のトレーダーに広く普及しています。
その成功を受けて開発されたのがMT5。
あらゆる面でMT4を凌駕し、定期的なバージョンアップで最新の機能を盛り込んでいるツールです。
しかし、後述する理由でユーザーのMT5への移行が進まず、リリースから15年近く経った現在であってもMT4の方が圧倒的に人気があります。
MT5のダウンロード方法について
これからMT5の利用方法をご紹介していきます。
基本的にはMT4と共通することが多いですので、MT4に慣れている方であればすんなりと利用できるでしょう。
MT5のダウンロード
PCで利用する場合は、FX業者の公式サイトからダウンロードしましょう。
今回は、XM Tradingでのダウンロード方法を解説します。
まずは公式サイトで「プラットフォーム」をクリックします。
MT5を選び、その先のページで「ダウンロード」をクリックしましょう。
ダウンロードしたファイルを開くとダウンロード開始です。
あとは、ログインIDとパスワード、そしてサーバー番号を入力してログインすれば、取引の準備は完了です。
MT5の使い方(チャート設定)
ツールバー
ツールバーは、画面の上部に表示されています。
ここには頻繁に使う機能が多数搭載されています。
MT4を使っている方であれば似通ったアイコンが沢山あるので分かると思いますが、時間足を選択したり、トレンドラインを引いたり、注文を入れることができます。
気配値
気配値では、様々な通貨ペアのレートが一覧で表示されます。
「毎日の変化」では変動率も示されますので、当日に上げているか下げているかも分かります。
任意の通貨ペア名を右クリックして「チャートウィンドウ」を選択すると、その通貨ペアのチャートが表示できます。
また、既に表示しているチャートに、任意の通貨ペア名をドラッグアンドドロップすると、その通貨ペアに切り替えることもできます。
ナビゲータ
ナビゲーターではMT5に標準で入っているインジケーターや追加したカスタムインジケーターを表示できます。
この一覧の中から任意のインジケーターやEAをチャートにドラッグアンドドロップすると、チャートに反映されます。
MT5の注文方法
MT5ではさまざまな注文方法を利用できます。
今回は最もスタンダードな「成行注文」と「指値・逆指値注文」のやり方を見ていきましょう。
成行注文
まず、気配値から取引したい通貨ペアをダブルクリックします。
すると次のような画面が表示されるので、取引数量や損切りライン(Stop Loss)や利食いライン(Take Profit)を設定し、売りか買いをクリックしましょう。
次に、表示から「ツールボックス」を選択し、ツールボックスの下にあるタブから「取引」をクリックすると保有しているポジションが表示されます。
このポジションをダブルクリックすることで、好きなタイミングで決済できます。
指値・逆指値注文
指値・逆指値とは、指定した価格になったら実行される注文方式です。
成行注文と比べて複雑に見えるかもしれませんが、実際は価格を指定するだけで簡単ですので、ぜひ試してみてください。
まずは、先程の手順で注文画面を表示して、タイプを「指値注文」に変更します。
タイプは以下のように使い分けてください。
- Buy Limit:現在より有利な価格で買い注文を入れる
- Sell Limit:現在より有利な価格で売り注文を入れる
- Buy Stop:現在より不利な価格で買い注文を入れる
- Sell Stop:現在より不利な価格で売り注文を入れる
MT5の特徴とMT4との違い
それではMT5とMT4の違いについて見ていきましょう。
動作の軽快さ
MT5は、MT4よりも動作が軽く、処理速度が大幅に向上しています。
特に時間足の切り替えがスムーズで、1時間足から月足への変更も瞬時に行えます。スキャルピングのように、瞬時の判断が求められるトレードでは、この性能が大きなアドバンテージとなります。
多彩な時間足の設定
MT4では主要な時間足(1分足、5分足、1時間足など)のみ利用可能でしたが、MT5では2分足、3時間足、8時間足など、より細かい設定が可能です。
これにより、短期トレードから長期トレードまで幅広いニーズに対応できます。
ミニチャートと経済指標表示
MT5では、ミニチャートを表示させて複数の通貨ペアを同時に監視することができます。
また、経済指標をチャート上に直接表示できるため、重要な発表の影響を即座に把握できます。
ウィンドウのドッキング解除機能
MT4では、通貨ペアのチャートはMTウィンドウ内に固定されていました。
しかし、MT5ではドッキング解除機能により、チャートをウィンドウ外に独立して表示することが可能です。
この機能を利用することで、ネット検索や他の作業を行いながら、チャートを常に確認することができます。
なぜMT5は広まらないのか?
MT5はMT4の上位互換版と言えるツールですが、なぜか世界中のユーザーはMT4ばかりを使っています。
MT5を開発するMetaQuotes社は、FX業者にMT5への移行を進めるべく優遇政策を取っているようですが、それでもユーザーはMT4を選ぶのです。
その理由を解説します。
MT4の人気が凄すぎた
MT4リリース後の衝撃はすさまじいモノでした。
自分でインジケーターが作れるだけでなく、EAで自動売買もできる。
しかも、作ったファイルは販売や譲渡もできる。
こういった特徴を備えたMT4は瞬く間に世界に広がり、MT4のインジケーターやEAを販売するマーケットまでできてしまいました。
MT4の市場は年を追うごとに大きくなり、MT5がリリースされた2011年にはMT5なんて見向きもされないレベルとなっていました。
そこから更にカスタムインジケーターやEAのレベルや精度が上がったため、MT4とMT5の格差が大きくなったのです。
EAやインジケーターの非互換性
MT5がMT4よりも人気の劣る一番の理由は、MT5ではMT4のEAやインジケーターが使えないことです。
もしこれが可能であれば、今頃はMT5が主流になっているのは間違いありません。
さらにMT5のプログラミング言語はMT4よりも複雑、しかもユーザー数が少ないため、MT5のカスタムインジケーターやEAの数はMT5よりも圧倒的に少ないのです。
MT4からMT5へソースコードを変換するコンバーターもありますが、完璧ではないため、MT4の優れたインジケーターやEAのMT5版が無いのが何よりも致命的です。
MT4とMT5の選び方
どちらを選ぶべきかは、トレードスタイルや目的によります。以下を参考にしてください。
MT4がおすすめの人
- EAやカスタムインジケーターを多用する人
- 使用しているFX業者がMT4のみ対応している場合
MT5がおすすめの人
- 処理速度や時間足の種類を重視する人
- スマートフォンでの操作性を重視する人
- 長期的なトレード環境の変化に対応したい人
まとめ
MT5は、技術的に進化したプラットフォームであり、特に処理速度や分析機能の充実が魅力です。
しかし、MT4の普及率やEA・インジケーターの対応状況から、すぐに切り替えるのが難しい場合もあります。トレーダーとして最適なプラットフォームを選び、快適なトレード環境を整えることが成功への第一歩です。
ぜひ自分に合ったプラットフォームを見つけてください!