マーケットの魔術師はFXや株で成功した人への質問形式のインタビューが掲載されています。
アメリカでは1980年代に発行された本ですが、大変人気があり定期的に新版が発行されています。
古い本と思われるかも知れませんが、トップトレーダーがどのような考えで取引しているのかが分かる非常に勉強になる本です。
今回はマーケットの魔術師(青版)で紹介されているトレーダー達の考えをまとめました。
この記事を読んで感銘を受けたら、ぜひ書籍版もご覧ください。
Contents
- 1 マイケル マーカス(フロアトレーダー)
- 2 ブルース コフナー(先物・債券トレーダー)
- 3 リチャード デニス(トレーダー)
- 4 ポール チューダー ジョーンズ(先物ファンド)
- 5 ゲーリー ビールフェルド(Tポンド先物トレーター)
- 6 エド スィコータ(システムトレーダー)
- 7 ラリー ハイト(システムトレーダー)
- 8 ジェームス B ロジャーズ ジュニア(長期株トレーダー)
- 9 マーク ワインスタイン(90%以上の勝率のトレーダー)
- 10 ブライアン ゲルバー(フロアトレーダー スキャルピング)
- 11 トム ボールドウィン(フロアトレーダー)
- 12 バン K タープ(トレード経験がある心理学者)
- 13 ジャック D シュワッガー(本の著者でもありトレーダー)
- 14 マーケットの魔術師の本を読んだ感想
マイケル マーカス(フロアトレーダー)
ファンダメンタルで相場の流れを掴み、次にチャートがその方向に動いているかチェックして相場に入る。
織り込み済みか調べる方法は、場味を眺めて、何日高騰や続落してるか、市場の指標がどうなってるかをチェック。
専門家に頼りすぎるのは危険、彼らはトレーダーではないから。
相場は操られていると信じている人がいるけどそれはない。相場を動かすことができる人なんていない(短期は別)。
負けが続いてる時は何もしないことが良い。(本人はロットを大きくかけて損を取り返そうとして失敗することが多い、その場合はストップを入れておく)
ブルース コフナー(先物・債券トレーダー)
ファンダとテクニカル分析を利用し、なぜ相場がそう動くのか理解できるまではポジションは持たない。
テクニカル分析で未来がわかるというのは大袈裟、過去を見るもの。
過去のトレーダー達が将来をどう見てきたのかわかる。(それを自分で考えて相場についての判断を下す)
ファンダ的な理由がなくても、過去に似たようなチャートの形が現れることもあるので、その時はポジを持つ。
大きく相場を動かすことは短期では可能かも知れないが、大きく損をすることになる。
ファンダやテクニカルに逆らうことだから。
週に一度、すべてのつうかに対するシナリオを考えて、レンジも決めておく。
レンジをブレイクしたらどうするかも決めている。
1回のトレードでポートフォリオの1%以上のリスクを冒さないようにしている。
リチャード デニス(トレーダー)
トレンドに乗ってトレードすることが大事(逆張りは損をすることが多い)
トレンドが形成されていたら早めか遅めかどこかで入る。
相場が上がるべき時に上がっていると早めに入る。
相場が上がるべき時に下がっていると、しっかりトレンドがでてから入る。
テクニカル要素はファンダ要素より重要ではない。
初心者のトレーダーは最初は小さくトレードすること。
初めのうちはそれ以上悪くなり得ないほど出来が悪いから。
自分のミスを勉強すること。
自分の資金の日々の増減に振り回されてはいけない。
1回1回のトレードの結果が持つランダムな性格ではなくて、自分が正しいことをやっているかどうかを焦点にする。
ポール チューダー ジョーンズ(先物ファンド)
大きなポジションをトレードしている時は、自分が手仕舞いたい時ではなくて、市場がそうさせてくれる時に手仕舞わなくてはいけない。
相場が新高値や新安値圏に入るのを待ってはいけない。
もし、そこで相場が反転すると出来高が縮小するから。
もし、高値が101.5円なら、101.6にたくさんの買いのストップオーダーが集中している。
新高値をつけた時は非常に強く見えるけど、それはしばしば絶好の売り場でもある。
トレードする時はできるだけリラックスするようにしている。
もし間違ったポジションを持てば素早く損切りをし、有利な方に動いたら持ち続けるようにしている。
リスク管理はトレードで一番需要なこと。
今月は6.5%負けている、後3.5%やられたら今月はストップする。
毎月絶対に2桁の損をしないようにしている。
ポジションを持って損が膨らむに従ってポジションサイズを落とす。
ナンピンはしない。
上手くいっていない時は枚数を減らす。
大きな指標ではトレードしない。
それはトレードではなくてギャンブルだから。
ゲーリー ビールフェルド(Tポンド先物トレーター)
成功するトレーダーの特性は、規律と忍耐。
うまくポジが取れたら、それを継続できなければいけないから。
次は相場に入っていく勇気と、潔く損を出せること。
最後に勝ちたいという強い願望。
トレードで失敗しても、適切に処置をして次のトレードに備えられるという姿勢を持たなければいけない。
損をしたことで感情的になってはいけない。
ポーカーで配られた手で毎回降りずに勝負してはいけない。
もしそんなことをすれば負けの確立を高くしてしまうだけ。
トレードも同じで、絶好のトレードチャンスを待つ忍耐力を保つように心がけている。
ポーカーでいい手の時に徹底的に勝負するように、絶好のトレードでは本当にレバレッジを効かせて勝負するべきだ。
エド スィコータ(システムトレーダー)
5%以下のリスクで個々のトレードをしている。
損切りは早く、利食いはじっくり、ポジションは小さく、ルールに従う、ルールを変えるべき時を知る。
負けるトレーダーが勝てるトレーダーに変身するために何をすればいい?
負けるトレーダーが勝てるトレーダーに変身することはほとんどない。
負けるトレーダーは自分自身を変えたいとは思っていない。それは勝てるトレーダーがやることなんだ。
ラリー ハイト(システムトレーダー)
どのトレードにおいても、総資産の1%以上のリスクは取るな。
リスクを小さくし、かつ一定に抑えるということは本当に重要なのだ。
リスクが管理できなければいつか捕まる(破産や大損)。
リスクを減らすために分散してトレードをしている。
たった1つのシステムを使ってトレードはしない。
短期から長期までを目標に置いた複数のシステムを使う。
ボラリティが高まってくると、反対に期待リターンとリスクの比は悪くなってくるので、その市場の取引は中止する。
ボラリティを計算する上で10日から100日ぐらいのデータを利用している。
重要だと思われる指標は何?
そういったものとは無関係にトレードをしているが、2つだけある。
1番目、重要なニュースに相場が反応しない場合、それは何か重要なことを示唆しているということ。
例えば、イラン・イラク戦争が勃発した最初に報じられた時、金は1ドル上がるのがやっとだった。
その後、相場は急落した。
2番目、相場が史上最高値を付けた時、それは何かを示唆している。
こんなに相場が高いはずがない、何も変わっていないとか多くの人が言うけれど、最高値を付けたという事実は何かが変わったということを教えてくれているんだ。
ジェームス B ロジャーズ ジュニア(長期株トレーダー)
古くから言われている相場の知恵などには決して従ってはいけない。
相場の逆を行くことを学ばなければいけない。
自分自身で考える方法を学ばなければいけない。
ほとんどの人がトレンドに乗りたがる、トレンドはフレンドだという。
それはシカゴにおいて数分間だけ有効なだけで、しばらくそれで稼げるけど、勝ち続けるのは難しい。
経済的に裏付けられたトレンドと今話したトレンドとは違う。
需給関係の変化をいち早くしり、いち早く買いに出なければ行けない。
何年間も続く相場の時だけ買いに出なければいけない。
これに対して私がいうトレンドフォローとは、単に上がってるから買い、下がってるから売るというものだ。
自分がしようとしていることに確信が持てるまで何もしてはいけない。(ポジションを持つなということ)
良いトレードが現れるまで待ち、トレードのためのトレードはしない。
確率の高いトレードが準備されるまで金は寝かせておける忍耐力をつけること。
マーク ワインスタイン(90%以上の勝率のトレーダー)
テクニカル分析を信用できないという人がいるけど、気に入ったものしか見ないからね。
問題は常に単独でうまくいくテクニカル解析なんてありはしないということ。
それぞれの指標がどのような時に機能するのかを理解しておくべき。
信条にしているトレードルールは?
- いつも宿題をやること。
- 傲慢にならないこと。傲慢になるとリスクコントールができない。偉大なトレーダーは謙虚だ。
- 限界を知ること。すべての人には限界がある。
- 独自性を持つこと。大衆と同じ事をしていたらいずれ負ける。
- 機が熟すまでトレードはしない。どのような時にトレードしないかを知ることは、どのような時にトレードをするかを知るのと同様に重要。
- トレード戦略には市場の状況が変化した時に対応できる柔軟性が必要。
- 一度儲けてもそれで満足してはいけない。一度目標を達成したら、第二目標を立てる。第二目標を達成しても第一目標より満足感が得られない。それで自分はなぜトレードをしているのか自問自答することになり、今までの儲けをすべて吹き飛ばすような壊滅的なトレードを始めることになる
- どうして損をしたのか学ぶべき。
ブライアン ゲルバー(フロアトレーダー スキャルピング)
平均的なトレーダーの間違いは大きなサイズでトレードしすぎることと、利食いが早すぎること。
損が続いていたらどう対処する?
トレードを小さくし、時には休憩を取る。(新たな気持ちでトレードをするため)
トレードの状況が悪くなってきた時、良いポジションを持っていてもすべて手仕舞う。
良いポジションも必ずトレーダーを苦しめるものに変わってしまうから。
トム ボールドウィン(フロアトレーダー)
相場の同じパターンは何度も起こる。
市場参加者も同じ事を何度も繰り返す。
一般的なトレーダーはトレードをしすぎ。
彼らはトレードすべきを十分に選ばない。
彼らは相場が動くのを見ると、何らかのアクションを取りたがります。
忍耐強く得たないで、結局無理にトレードしています。
バン K タープ(トレード経験がある心理学者)
トップトレーダーの信念として次のようなものが挙げられる。
- お金がすべてではない。
- 相場で損をしてもあまり気にしない。
- トレードはゲーム。
- 成功するには心理的なリハーサルが不可欠である。
- トレードを行う前から勝っている。
ほとんどの人は多く儲けようとしてトレードを始めますが、それは損をする最も基本的な原因です。
なぜなら、お金を非常に大切に考えている人は、損切りすることや、評価益を伸ばすことに抵抗を感じてしまうからです。
それとは対象的にトレードをゲームと考え、しっかりしたルールに従ってトレードを行えば、損切りは早く、利食いは遅くに従うことは容易になるでしょう。
なぜリハーサルや綿密な計画が大切かというとトップトレーダーはトレードを始める前に心の中ですべて起こりうる状況を想定し、それについて試行錯誤を繰り返しているからです。
そうすることによって、期間の長いトレー-度においても儲けることができるし、多少値段が逆方向に動いても慌てることなく対応できるようになるのです。
ジャック D シュワッガー(本の著者でもありトレーダー)
トップトレーダーの共通点
それぞれ自分に効果的な方法を見つけ、そのルールに忠実に従いトレードをする。
トップトレーダーは起きている時間のほとんどを市場分析とトレード戦略のために費やしている。(トレードの正夢を見ることがある。それだけ頭の中は常に市場のことばかり考えている)
トレード手法は様々だけど、トップトレーダーは適切なトレードチャンスを待つ忍耐力がある。
マーケットの魔術師の本を読んだ感想
- 相場の方向感を確認してからトレードをしている
- リミットとストップを決めている
- トレンドフォローに乗ってトレードをしている
- トレードチャンスを忍耐強く待つ
- 損小利大
- 方向性がでていない時はポジションを持たない
- リスク管理を徹底していて、1%から5%以内のリスク範囲内で個々のトレードをしている
- 負けた時はロットを小さくしたり、1日から3日ほど休日を取り、頭をリセットしてから相場に入る(負けたら感情的になったりするため)
- 研究熱心(シミュレーションを常にしている)
- それぞれのトレード手法を持っている
- 多くの投資家が破産になるような大きな負けを経験している。
- そこから反省し勉強をして勝ちトレーダーになっている。
資産管理をして小さいロッドでトレードをしていると、負け続けても資産の減りは抑えれる。
そして、たくさんトレードをしているといつか勝てるトレードチャンスが来る。
今日はいくら儲けるとか、何pips取るとか目標を立てることはしない。
損をした時に焦ってトレードをしたり、ロット数を大きくしたりするので、やめた方がいい。
なぜ、そのポジを持ったのか説明ができるかが大事。
正しいと思ったトレードでも間違った方向に行くときもあるけど、その時は正しかったけど相場が違う方向に動いたから、正しいと思って損切りをする。(頭の切り替えが大事)