検証してトレード手法に優位性があることが確認できれば、その手法でトレードを続けてたらトータルで勝てる可能性が高いです。
その一方で、検証して優位性が無いことが分かった場合は、トレード手法の見直しが必要になります。
トレーダーの中には「検証はめんどくさい」と思ってやらない人や、そもそも検証について知らない人も多いです。
しかし、検証無くして勝つことは無理です。
本記事では検証の重要性や、正しいやり方について解説していきます。
FXにおける検証について
具体的には、過去チャートや現在のチャートを使ってルール通りに取引した場合、どのような結果になるのかを見ていきます。
FXの検証は、トレードで勝つためには必要不可欠な行為です。
FXは勝ち負けを繰り返しながらトータルで利益を得るゲームです。
トータルで勝つためには、検証を行って手法の優位性を知り、得意な相場や苦手な相場について把握する必要があります。
そのような情報から手法の改善を図り、トレーダーの知識と技術も一緒に向上させながら、総合的なトレード力を磨くためにも検証は大事なのです。
検証の目的
検証と一言でいっても実は検証する目的は様々です。
大まかに検証の目的は以下の3つです。
- トレード手法を作る
- トレード手法を評価する
- トレード手法の練習をする
それぞれについて解説していきます。
トレード手法を作る
一貫性のある取引を続けるためには、明確化されたトレードルールが必要です。
手法をしっかりと決めておくことで、チャートの動きに惑わされずに感情的にならないトレードが出来るようになります。
そのためにも、まずは検証をしてしっかりとしたトレードルールを作っていきましょう。
検証でトレード手法を作るポイントは以下の通りです。
- 使う時間足の組み合わせ
- 使うインジケーター
- トレードする時間帯
- エントリーポイント
- 利確のタイミング
- 損切りのタイミング
- 資金管理のルール
トレードルールを作る上で決めることは非常に多いです。
しかし、色々と試行錯誤して決めていくことは、とても面白いことでもあります。
ここでしっかりとトレードの骨格となる「ルール」を作っていきます。
トレード手法を評価する
トレード手法がある場合は、過去の相場で検証することで、手法の性能を評価できます。
評価する方法としては以下のような指標があります。
- リスクリワード(平均利益÷平均損失)
- 勝率
- プロフィットファクター(総利益÷総損失)
ここで重要なのはプロフィットファクターです。
プロフィットファクターが1以上の場合は、トータルで利益が出ることになります。
プロフィットファクターが1以上になるように、トレード手法を改良しましょう。
トレード手法の練習
作成したトレード手法が、通用するかどうかを確かめるためにも検証が必要です。
また、トレード手法を自分の頭の中にしっかりとインプットして、手法をしっかりと使いこなせるようになるためにも検証は役立ちます。
しかし、いきなりリアルトレードで練習をやると失敗したときに損失が出ますので、検証ツールやデモトレードで練習しましょう。
手法が自分に馴染んで、しっかりとルールを守れるまで続けてください。
FXの検証をするための手段
FXの検証方法としては、主に以下のようなものがあります。
- MT4を利用する検証
- ForexTesterなどのソフトを使う検証
- スマホやタブレットを使った検証アプリ
- 無料のデモトレード
MT4を利用する検証
MT4には、ストラテジーテスターというバックテスト機能が搭載されています。
これを利用することで、過去の相場をリアルタイムのように動かしながら手法の検証できます。
元々はEAのバックテスト用ですが、裁量トレードを検証するためのEAを利用すれば、手動でエントリー&エグジットを繰り返しながら過去検証ができます。
検証後にはトレードのパフォーマンスも自動で表示されるので大変便利です。
検証用のEAについては有料、無料のモノと様々です。
まずは無料のもので試してみることをお勧めします。
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ForexTesterなどのMT4以外のソフトを使う検証
過去検証できるソフトはMT4だけではありません。
そのほかにも以下のようなソフトがあります。
- ForexTester
- TradingView
- ThinkTrader
ForexTester
ForexTesterは言わずと知れたトレード検証専用のソフトです。
検証専用という事だけあって、様々な機能を備えていますが、ソフト自体が有料で、過去の検証用のデータも有料です。
TradingView
TradingViewは現在、使用者が大きく増えているチャート分析ツールです。
発注機能は備えていませんが、チャート分析機能が優れており、MT4と同じように利用者の作成したカスタムインジケーターが利用できます。
その中で過去の相場を動かしながら検証する機能が付いています。
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ThinkTrader
ThinkTraderはThinkMarketsの提供するチャート分析&発注ツールです。
このツールの中にバックテスト機能が備わっています。
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スマホやタブレットを使った検証アプリ
スマホやタブレットに対応した検証アプリもあります。
これらも過去のチャートを使って仮想売買が行えますが、パソコン用と比べると機能は限定されます。
しかし、外出先のちょっとした時間や、寝る前にゴロっとしながら検証ができるメリットがあります。
デモトレード
デモトレードは各FX業者が無料で提供するサービスで、お金を入金しなくてもリアルタイムの相場で取引の練習ができます。
デモトレードを活用するメリットは以下の3つです。
- トレード手法が現在の市場状況に適しているか確認できる
- リアルタイムで取引できる
- 無料でトレード経験が積める
過去のチャートを利用する検証場合、現在の市場に適しているかどうかを確認するのは難しいです。
しかしデモトレードではリアルタイムのチャートを利用しますので、経験を積みながら手法の優位性の確認ができます。
そのため、デモトレードは手法検証の最終段階で行うことをお勧めします。
トレード手法を作ってリアルトレードに進むまでの流れ
ここからはトレード手法を作ってからリアルまで進むまでの流れについて解説します。
全体の流れは以下の通りです。
- どういったトレードをするかを決める
- どういったところで狙うかを決める
- 取引ルールの仮説を作る
- 取引ルールの検証と見直しを繰り返す
- リアルトレードで検証する
どういったトレードをするかを決める
まずはどういったトレードスタイルの手法を作るかを決めます。
トレードスタイルは大きく3つあります。
- スキャルピング(ティック~5分足)
- デイトレード(5分足~30分足)
- スイングトレード(1時間足~日足)
まずはこの3つの中からどれを選ぶかを決めましょう。
どれがベストかはその人の生活スタイルや性格、考え方によって異なります。
また、安定した精神状態で取引したい方は、プログラムが自動的に注文・決済を行う自動売買を取り入れるのもいいでしょう。
どういったところで狙うかを決める
次に相場の「どういったところで狙うか?」を決めます。
例を挙げますと、以下の様なポイントがあります。
- トレンド方向のブレイクアウト狙い
- トレンドの押し目買いや戻り売り
- レンジ逆張り
- トレンドの逆張り
狙うポイントが決まったら、どんなインジケーターを使うのか、それともインジケーターは使わずにライン等だけにするのかを決めます。
取引ルールの仮説を作る
狙うポイントが見えてきたら、より具体的な取引ルールを作ります。
取引ルールでは、以下のようなことを決めます。
エントリータイミング | エントリーする根拠やポイントなどを決める | ||
---|---|---|---|
利確ポイント | どこまで伸びたら決済するかの利確ポイントを決める | ||
損切りポイント | 負けを認める損切りポイントを決める | ||
通貨ペア | 取引を行う通貨ペア、取引をしない通貨ペアを決める | ||
取引量 | 取引量を決める | ||
資金管理 | 1回のトレードの最大許容損失額を決める | ||
取引時間帯 | どの時間帯で取引するかを決める | ||
撤退損失額 | 資金がいくらにまで減ったらトレードを一時停止するかを決める |
利確や損切りについては、エントリータイミングと同時に分かるようにして、OCO注文を入れられるようにしておくと便利です。
1回の取引で許容できる損失額の目安は資金の2%以下です。
精神がぶれやすい人は1%程度にしておくことをお勧めします。
手法の優位性を検証して見直す
取引ルールを決めたら、検証と見直しを繰り返しましょう。
ルール通りの取引で利益が出るようになったら、相場とルールがマッチしていると言えます。
利益が出ない場合は、相場とルールが合っていません。
取引ルールを見直して勝てるようになったら、デモトレードからリアルトレードに移行して検証しましょう。
リアルトレードで検証する
リアルトレードを始める場合も、検証を意識しながら取引をしましょう。
デモトレードで勝てていたトレーダーが、リアルトレードになると勝てないケースも多くあります。
この一番の理由は精神的な問題です。
リアルトレードに移ると、なぜかそれまではまったく気にしていなかったようなことが頭をよぎって、そのせいで上手くトレードできないのです。
感情場ブレると、デモトレードでは出来ていたことが出来なくなります。
リアルトレードに移っても、それまでと同じように取引を続けることが重要です。
それをしやすくするためにも、取引量をできるだけ減らして、徐々に慣らしていきましょう。
FXの検証を行うときの注意点
FXの検証を行うときは以下の3つのことに注意しましょう。
- 過去のデータはあくまでも過去のデータ
- 完璧を求め過ぎない
- 検証は繰り返して行う
過去のデータはあくまでも過去のデータ
検証において過去のデータを用いるのは非常に重要なことです。
これは受験勉強における過去問を解いて傾向を知るのと同じことです。
しかし、過去問と全く同じ問題が本場で出ることはありません。
相場も同じです。
動きの傾向を過去のチャートから読み取れたとしても、将来の相場で全く同じような動きになるかは分からないのです。
ですから、過去のデータで勝てた=将来も約束されたと考えるのは早計ですのでやめておきましょう。
完璧を求めない
FXの検証で注意することは完璧を求め過ぎないことです。
完璧を求めすぎると、過去の相場の値動きに合わせすぎて「カーブフィッティング」という状態になります。
カーブフィットしすぎると、過去のパフォーマンスは素晴らしいのに、リアルの相場ではまったく効果を発揮できなくなることが多くなります。
完璧なデータを求めすぎると、それが逆に将来の利益を減らしてしまうことになるので注意してください。
検証は繰り返して行う
FXの検証は、1回で終わるものではありません。
何度も検証を繰り返し、自分のスタイルや考えに合った最適なトレード手法を見つけることが大切です。
FXで勝てるトレーダーは、自分のトレードを最適化することに力を入れています。
どれだけ頭の中でトレード手法を考えても、実際に通用するかどうかは検証しないと分かりません。
検証結果をもとに、自分のやり方で利益を出せるか確かめる必要があります。
トレード手法は相場との相性もあるため、時間が経ってくると通用しなくなるケースも多いです。
勝率が下がったトレード手法をそのままにすると勝てません。
定期的に検証を行い、トレード手法の最適化を図りましょう。