トレードする際に必要不可欠なFX業者は、「国内業者」と「海外業者」の2種類に分類できます。
どちらともトレード環境を提供する点では同じですが、取引に関するルールや規制が異なる点が数多く存在します。そのため、どちらのFX業者を選ぶかが非常に重要になります。
トレード初心者であれば、国内業者を多く使っていると思いますが、トレードのキャリアを積んでいくと、徐々に海外業者の使用者比率が上がります。
今回はその理由について国内FXと海外FXの違いを解説します。
その理由は以下の通りです。
- ゼロカットシステム採用で追証がない
- 1000倍以上ののレバレッジで稼ぎやすい
- 少額(5000円未満)から始められる
- 取引ツール(MT4・MT5)が共通していて使いやすい
Contents
国内FX業者について
国内FX業者とは、日本国内にオフィスを持つ業者です。
国内業者がFXを顧客に提供するためには、金融庁に登録する必要があります。
金融庁は投資家保護のため様々なルールを設けており、国内業者もこのルールに則った形でサービスを提供しなくてはいけません。
金融庁の定めるルールに従うため、国内業者の信頼性・安全性は比較的高いです。例えば、もし業者が破綻しても顧客の資金が全額返還される信託保全が義務付けられています。
このような信頼性と安全性が魅力の国内ですが、全てにおいて投資家目線のルールになっているわけではありません。
国内業者のデメリットは以下の通りです。
- 最大レバレッジが25倍
- 追証の可能性あり
- 共通の取引プラットフォームが存在しない
国内FXでは最大レバレッジが25倍と、海外FXと比べて非常に低く設定されています。(一時、もっとレバレッジを下げる提案もありました)
また、相場の急変により残高がマイナスになった場合、そのマイナス分を自分で負担しなければいけません。
海外FXではゼロカットシステムによりそのようなリスクはありませんが、国内業者だと潜在的に大きなリスクを抱えて取引することになります。例えば2015年1月に発生したスイスフランショックでは、数千万単位の追証を迫られた人もいます。
例:オアンダジャパン、デューカス・コピー、Forex.com、サクソバンクなど
海外業者について
海外業者とは、日本国内にオフィスを持たず、国外から営業している業者のことです。
日本の金融庁は多くの海外業者に対して警告を出していますが、業者ごとに他国の金融ライセンスを取得していることが多いです。(金融ライセンスを持たない業者は要注意です)
所有する国の金融ライセンスによって信頼性の高い・低いはありますが、基本的にはライセンスがあれば信用できると考えてOKです。
海外業者は、日本の金融庁のルールに従う必要がありません。
そのため、国内業者で提供できない魅力的なサービスが数多くあります。
- ハイレバレッジのトレード
- ゼロカットシステムにより追証がない
- 豪華なボーナスキャンペーン
海外FXでは、ハイレバレッジの取引ができるため、少ない資金で大きな利益を狙うこともできます。
また、ゼロカットシステムにより追証されることもないので、借金の不安を抱えずに取引できるのが大きな特徴です。
海外FXと国内FXの違いを比較
海外FXと海外FXの違いについて表にしましたのでご覧ください。
国内業者 | 海外業者 | |
レバレッジ | 最大25倍 | 最大無制限 |
取引方式 | DD方式 | NDD方式 |
取引プラットフォーム | 業者によって異なる | 主にMT4、MT5 |
ゼロカット | なし | あり |
追証 | あり | なし |
ボーナス | なし | あり |
スプレッド | 狭め | 広め |
自動売買 | 業者によって異なる | 基本的にOK |
ロスカット水準 | 主に50から100% | 主に0から20% |
税金 | 20.315% | 15~55%(累進課税) |
信託保全 | あり | 業者によって異なる |
これらの違いを踏まえた上で、自分のスタイルや好みに合ったFX業者を選びましょう。
どちらが絶対的に良いというわけではありません。
レバレッジについて
海外FXと国内FXの一番の違いがレバレッジです。
国内FXは最大で25倍と決められていますが、海外FXでは100倍以上が当たり前です。
中には無制限の所もあり、非常に資金効率が良いです。
また、ハイレバ過ぎることにリスクを感じる方もいるかもしれませんが、口座の種類ごとに最大レバレッジは異なりますし、同じ口座であっても自分で最大レバレッジを定めることが可能です。
取引方式について
海外FX業者の多くが、取引方式としてNDD方式を採用しています。
それに対して、国内FX業者の多くが採用しているのはDD方式です。
- NDD方式:トレーダーと市場の間に、ディーラーを介さず注文を約定させる
- DD方式:トレーダーと市場の間に、ディーラーを介して注文を約定させる
多くの国内FX業者が採用しているDD方式は、トレーダーの利益=業者の損失、トレーダーの損失=業者の利益という仕組みになっています。ですが、スプレッドは狭くて固定であることが多いです。
海外FXのNDDはスプレッドや取引手数料が業者側の利益になりますので、トレーダーが取引してくれるほど業者の利益になります。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、取引の透明性が高いのはNDD方式です。
業者のディーラーを介さないので、インターバンクのレートそのままで取引ができます。
一方、DD方式はスプレッドや取引手数料が低いのがメリットになります。
取引プラットフォーム
海外FXでは、基本的にMT4やMT5、cTraderといった取引プラットフォームを利用します。
MT4やMT5は、世界中で最も利用されている取引ツールで、無料で利用できますし、様々なカスタマイズが出来て機能を拡張できるのが大きな特徴です。
MT4やMT5を採用する業者であれば、取引に使う業者を変えてもMT4自体の使い方は変わりませんので、スムーズに切り替えられます。
それに対して国内FXでは、業者ごとの独自のプラットフォームを利用します。
業者によって取引ツールの使い勝手が大きく異なるので、他の業者に切り替えると、注文方法が分かりにくかったり、チャート表示に不満があったり・・・といった問題が出てきます。
ゼロカットシステムと追証
海外FXには、基本的にゼロカットシステムがあります。
ゼロカットシステムとは、急激な価格変で口座資金以上の損失を出した場合、そのマイナス分をFX業者が負担してくれるシステムです。
ゼロカットシステムが無ければ、マイナスになった分を業者から「追証」という形で請求されることになります。
一方で国内FXにはゼロカットシステムがありません。
これは金商法という法律で「取次業者が顧客の損失を補填してはいけない」と定められているからです。
そのため、急激な為替変動によりロスカットが間に合わないと、追証により借金を負うリスクがあります。
これからFXを始めたい方で、借金をするのが不安な方は、海外FX業者を利用するのがおすすめです。
ボーナスキャンペーン
海外FX業者は、国内FX業者よりも圧倒的にボーナスが凄いです。
口座開設しただけで「未入金ボーナス」がもらえたり、入金額に応じて「入金ボーナス」が付与されたりと、持っている資金以上の金額で取引ができます。
それに対して、国内FX業者は口座開設後に取引を行うと、キャッシュバックが受けられたり、食べ物がもらえたりすることが多いです。
ただ、ボーナスの量で言えば圧倒的に海外FXの方が充実しています。
その理由は取引方式が大きく関係しています。
前述の通り、海外FX業者の多くがNDD方式を採用しており、より多くの取引をしてもらうほどFX業者の利益が増えるからです。
つまり、ボーナスキャンペーンを豪華にして顧客を呼び込み、FXを継続してもらうための営業努力なのです。
スプレッド・取引手数料
国内FX業者は低スプレッドで取引手数料が無料の所が多いです。
これは、前述した取引方式の違いが大きく影響しています。
国内業者はDDが多いため、リクイディティプロバイダーの提示するレートを加工して顧客に提示します。
一見すればスプレッドが狭くてトレーダーにとってはお得に見えますが、それはディーラーが介在しているから。顧客の損失が業者側の利益になるシステムなので、スプレッドを狭くできるのです。
一方で海外FX業者はスプレッドや取引手数料が主な収益源になるため、比較的コストが高くなっています。
ただし、業者によってはボーナスは無いものの、スプレッドが狭い口座タイプも用意されています。
自動売買について
MT4やMT5をプラットフォームとして採用している業者であれば、基本的には海外業者、国内業者問わず自動売買が利用できます。
しかし、現実としては国内業者は独自プラットフォームを利用するため、ほとんどの場合で自動売買が出来ません。
そのため、自動売買で資金を増やしたい方は海外FXをお勧めします。
税金について
海外FXと国内FXでは、税金の計算方法が大きく異なります。
コレは非常に重要です。
- 国内FX:申告分離課税(一律20.315%)
- 海外FX:総合課税(15%~55%)
国内FXの申告分離課税は、給与所得などとは別に、株やFXで得た投資損益のみを通算して計算します。
税率は一律で20.315%となっています。
どんなに稼いでも、この割合だけ税金として徴収されます。
一方で海外FXの利益は総合課税となります。
これは他の所得と合算して、その総額に対して課税されます。
税率は累進課税で、合計の所得が上がるほど税率も高くなります。
以下は所得税の表です。
現在ではトータルの所得が4000万円を超えると、所得税率が45%になります。
これに住民税が一律10%加わるので、最大で55%になります。
このように海外FXは稼げば稼ぐほど税率が上がることは覚えておいてください。
海外FXの大きなデメリットとなりますが、レバレッジを利用して、最初に多額の資金を稼ぐのには向いていると思います。
海外FXに関する質問
海外FXに対する噂をよく目にしますが、そのほとんどが誤解や勘違いです。
ここでは、海外FXに関するよくある勘違いを5つ紹介します。
- 金融庁に登録していないから危険ないの?
- 日本人が海外FX業者を利用するのは違法でしょ?
- ハイレバレッジの取引は危ない!
- すべての海外業者は詐欺でしょうが!
- 英語ができないと利用できない!
金融庁に登録していないから危険
金融庁のサイトには、金融庁に登録せずに営業を行っている海外業者の名前を挙げて注意を促しています。
このようなこともあって、「海外業者=危険」と誤解されがちです。
しかし、全ての海外業者が危険というわけではありません。
ほとんどの業者が日本以外の国で金融ライセンスを取得して営業しています。
もし海外FX業者が日本の金融庁に登録すると、レバレッジが25倍になり、ゼロカットシステムも採用できなくなります。これだと海外業者としての魅力が全くなくなってしまいます。
つまり、敢えて金融庁に登録していないと考えたほうが良いでしょう。
日本人が海外FX業者を利用するのは違法
これも大きな誤解です。
日本人が海外FX業者を利用しても、違法ではありません。
日本人が海外のサービスを利用したら違法になるでしょうか?
それだとtwitterもfacebookも違法になっていしまいますよね。
海外FX業者は、海外に住んでいる日本人向けに提供されているものであって、国内向けのサービスではないという立ち位置になっています。
しかし、日本に住む日本人が自ら選択して海外FX業者を利用するのは一切違法性はありません。
ハイレバレッジの取引は危険
ハイレバ⁼キケンと考える人は多いようです。
しかし、よく考えてください。
ハイレバレッジは一つの選択肢に過ぎません。
ハイレバ利用できると言うことは、低レバの取引もできるという事。
別にハイレバで取引しないといけない決まりなんてありません。
すべての海外業者は詐欺
ハッキリ言います。
海外FX業者の中には、詐欺を行う業者があるのは事実です。
具体例を挙げると以下のような事件がありました
- FX Suite:スワップゼロを謳って顧客を集めて、一気にスプレッドを広げて資金を回収してトンズラ
- HastForex:多くのボーナスで顧客を集め、出金拒否をしてトンズラ
- GEMFOREX:多くのボーナスで顧客を集め、出金拒否⇒いきなり営業停止
この中でも衝撃的だったのがGEMFOREX。
GEMは日本人が運営する海外業者で運営歴も長かったのですが、いきなり営業停止をして多くの利用者を驚かせました。
このような事実があるので、海外業者の全てが安全とは言いません。
ただ、詐欺を働く業者には共通点があります
- 金融ライセンスを保有していない
- 非常に多くのボーナスキャンペーンを行っている
- 日本人だけをターゲットに運営している
この3つが揃うと危険だと判断してください。
特に日本人だけをターゲットにしている業者はハイリスクです。
できれば世界中でサービスを展開していて、様々な国の金融ライセンスを持つFX業者を選びましょう。
英語ができないと利用できない
海外FX業者にとって、頻繁に取引をしてくれる日本人は大事な顧客です。
そのため、日本人向けのサービスを行う業者はしっかりとした日本語でサイトを作成し、サポートも日本人が担当しています。
業者によっては国内業者と同じかそれ以上のクオリティのサポートも受けられます。
初心者が人生を変えるなら海外FX
FXはレバレッジを利用して大きな資金を稼げるのが一番の魅力です。
そのため、ハイレバレッジが利用出来て、ゼロカットで追証のリスクもない海外FXの方がおススメです。
低額から始められますし、それでいて大きなロットで取引できます。
ポジション保有中に大きく動いて大損となっても、口座に多くのお金を入れていなければ、かすり傷で終わります。
このような理由から、信頼できる海外FX業者で取引することをお勧めします。