今回の【勝ち組トレーダーにインタビュー】では、EAを利用したシステムトレードと裁量トレードの両方でトレードされているMさんからFXについての話を伺いました。
シストレをやっている人にも裁量トレードをやっている人にも参考になると思います。
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デモで勝てたから専業になって成功できる!わけがない
そのような動機だけで専業トレーダーとして結果を残せると思いますか?
回答
それは絶対に無理だと断言できます。
そのようなスタートから結果を残せている専業トレーダーなんて聞いたことがありません。
専業で成功されている方のほぼ100%が、専業になる前に本業以上の利益を出し続けて、そこから十分に考慮した上で専業になっていると思います。
中には大した実績もなく専業となり生き残っている人もいるでしょう。
しかし、そのような人は、最初の数年はマイナスというどん底から這い上がっている人たちです。
ですから、「デモトレードで好調→いきなり専業成功」の流れは、ありないと思います。
専業トレーダーになりたいと思う動機が、「会社が嫌だから」というのは別に悪いことではないと思います。嫌な仕事や人間関係を続けてうつ病になるくらいなら辞めた方が良いくらいですので。
専業のメリットとして「会社に束縛されない、面倒な人間関係に悩まなくていい」というものがあります。
実際、私自身も会社がいやだったから専業になりました。
しかし、「会社辞めたい⇒専業」ではなく「>会社辞めたい→FXで勝つための努力をする⇒安定して利益を出せたので専業へ」のプロセスを経ています。
他人の手法を真似ようとしても勝てない
シストレと裁量の両方で資金を運用するトレーダーとして、裁量トレードの難しさを教えてください。
回答
客観的なバックテストができないという点が裁量で一番困難な点です。
当然Forex TesterやMT4で検証をすることができますが、やはり実戦でしか経験値や検証を積み重ねることができないと考えています。
私自身、何年も勝ち続けているトレーダーに裁量手法を直接学びましたが、その通りにやってもまず勝てませんでした。
なぜなら、その手法には言葉にはできない、チャートのパターン認識を超えた領域のものまでが含まれていたのです。
それは相場観や価格の勢い、その日の流れなどだったりするわけですが、これらは完全に個人の経験値に基づいていているため、他人と共有することはかなり難しいです。
そのため裁量をものにしようとする場合、この経験を自分なりに身につけていく必要があるのですが、これは過去のチャートを見るだけではもちろんできません。
価格の勢いやポジション保有時のメンタルや時間経過の要素もあるので、ForexTesterのようなツールであってもそれほど有効には働きません。
やはり実戦で試行錯誤するしかありません。
これが長い年月を要し、すぐには結果が出ず、また続けても道が開く保証はないというのがきつい所だと思います。
他人の教えは参考程度、自分で方法論を構築していくしかない、時間を要する、でも成功するとは限らない、こういった性質が裁量の難しさだと思います。
システムトレードから裁量へ
回答
私の場合、FXはシステムトレードから入りました。
何年かだらだらシステムトレードだけやっていたのですが、これでは大金は稼げないと考え、裁量にも手をつけ始めました。
システムではそれなりに利益は出せたのですが、やはりドローダウンが怖くて、大きな資金を口座に入れられなかったのです。
また、私の知り合いの裁量トレーダーが月単位で数百万円をコンスタントに稼いでいたのも裁量を始めた要因の一つですね。
「やっぱり裁量もいいなぁ」と(笑)
勝てなさ過ぎて思考停止状態に!
その時の状況や心境はどのようなものだったのか教えてください。
回答
吟味してトレードしているはずなのに、簡単に損切りラインに到達・・・。
リスクリワードを1:1にしているはずなのに、連続して損切りラインいすぐに到達。
「損切り幅が狭いのか!」と考えて、余裕をもったストップを設定するも、それでもすぐに損切りに到達。
こんなことが1週間連続しました。
この時は完全な思考停止状態になりました。
何をやってもうまくいかないのです。
ストレスで心身ともにやられてしまいました。
もう一生勝てないんじゃないかと思って、やる気も亡くなりました。
この時から数か月は裁量トレードを休みました。
代わりにシステムトレードに注力するようになりました。
今思えば・・・ですが、この時にもっと相場にしがみついて、負けた理由等について検証を続けていれば、トレーダーとしてもっと成長できていたのでは?とそれはそれで後悔しています。
儲かるシステムを作るのも難しい
資金を増やせるシステムを作るのは難しいと思いますが、難しい点を教えてください。
回答
自動売買用のシステムのことですね。
「資金を増やせる」というのがポイントです。
過去の相場で利益を上げられるシステムを作るのはそう難しくはありません。
ただ、ドローダウン等もあるので小ロットでしか運用できません。
私が現在、運用しているのもこんな感じです。これはとても資金を増やせるとはいえません。
私は使いませんが、定期的に人気が高まるナンピン&マーチン戦略を組み込んだシステムも資金を増やせるものではありません。これは潜在的に大きなリスクを取りながら小銭を稼ぐ割に合わないシステムです。
こういった大損の可能性を排除しつつ、大ロットで動かせるようになって、はじめて資金を増やせると言えるのですが、これがとても難しいです。
裁量であれば熟練者の場合は、相場観や経験に基づく感で、トレードを避けたり、枚数を下げたり、ポジションを持っても一部手仕舞ったりでリスクコントロールできるわけですが、これをシステムに組み込むとなるとどうやっていいのかわかりません。
上手くいかなかった事例も沢山あります。
バックテストの期間だけ上手くいく戦略やフィルター、カーブフィッティングなどはよくやっていました。
バックテストに集中すると、どうしても気づいたらカーブフィッティングさせていることになることが多いので、今もかなり注意しています。
また、システム初心者の頃は、カーブフィッティングさせたシステムの結果が良くて、それがうれしくて直ぐに稼働させました。言うまでもなく大損しました。
他にはバックテストの結果を正しく評価できていなかった間違いもありました。
PFの概念を知らずに、年間ではプラスになるからという理由で本番稼働させたこともあります。
あとはストップロスなしのシステムを動かして大損したこともあります。
バックテストではたまたま大きな損失がなかったので、ストップロスを設定しなかったわけですが、実際に稼働させると1ヶ月ぐらいでバックテストの最大損失を超えました。
「勝てるようになった」と思っても、結局一時的なものだったことが何度もある
回答
ありますね。
裁量のある情報商材の方法を試していたのですが、ずっと勝てないままでした。
資料を何度も読み直して理解できて、それを実際のトレードで生かすことができました。
それ以降、トレードが安定して、ようやく勝てるようになったと思いました。
でもしばらくして勝てなくなりました。
「なんで?」と何度も首をかしげましたし、最後には怒り狂ってモニターをパンチして割りました(笑)
その後冷静になった時に、手法をなんとなく使ってたまたま勝っていただけに過ぎないと言うことに気づきました。結局勝てない状態に戻り、自己嫌悪に陥りました。
指標トレーダーは相場の大切な養分
回答
初心者なら、ただのギャンブラーか、そのことすら自覚のない人でしょう。
自覚のない人はかわいそうだとは思いますが、調べが甘いのは自己責任なので仕方がないとも思います。
ギャンブラーなら自分と違うタイプの人だなと思うぐらいでしょうか。
ご本人が楽しめるならそれでいいと思います。
それもFXとの関わり方の一つです。
こういう人たちは、負け役としてFXに不可欠なものなので大歓迎です。
個人的には関わり合いたくありませんけどね。
逆に初心者でない場合、ビッグイベントを主戦場としている方は、何らかのファンダメンタルズや戦略、ビッグ相場に追従する技量や経験を持ち合わせていると思うので、尊敬します。
実際に話を聞いてみたいとも思います。
きっと学べることも多いのではないかと思っています。
勉強嫌いはFXに向いていない
回答
勉強嫌い、勝負事が嫌いという人は向いていないと思います。
「勉強が得意 = FXの素質あり」というわけではありませんが、それでも勉強嫌いの人は向いていないでしょうね。
本を読んで勝てるようになるわけではありませんが、本で学ぶことは大前提です。
トレード方法だけでなく、資金管理、リスク管理、メンタル、成功者たちの体験談など学べることはたくさんあります。
そして何より日々のトレードの振り返りや検証を愚直に重ねていく必要があります。
つまり自身のトレードレコードを教材として、絶えず学び続けていく必要があります。
勉強が必要というのは本だけでなく、検証作業も含めてのことです。
こういったコツコツ努力していく泥臭い作業が嫌いな人は向いていないでしょう
そしてもう一つ、勝負事が嫌いという平和主義も向いていないです。
FXは勝負事です。
ゼロサムゲーム、お金の奪い合いです。
負けてくれる人がいるから、稼ぐことができます。
「鴨よ、ありがとう! 自分は稼げて当然!」という横柄な考えは必要です。
トレードそのものに対しては謙虚な姿勢が必要ですが。
勝負事なので、新規参入者、つまり初心者は負けて当たり前です。
そこからコツコツと実力を身につけていき、勝ち組に回るプロセスを楽しめないような人は向いていないと思います。
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