- あなたが勝てないのはマルチタイムフレーム分析をしていないからです!
- 上位足のダウを意識しないと勝てません
- 4時間足が上昇トレンド中でしょ?だからロングしないといけません
こういった文言を見たことがありませんか?
多分、FXに関する情報をネットで探し回ったことがある方なら見たことがあるはず。
いつからでしょうか。
テクニカル分析においてマルチタイムフレーム分析が常識となったのは・・・・。
ここ10年ほどでネット上で得られるFXの情報はかなり充実してきました。
ブログでもYouTubedeでも様々なテクニカル分析の知識が公開されていますよね。
その際たるモノが複数の時間足を組み合わせて考えるマルチタイムフレーム分析。(MTF分析)
上位足の流れを読んで仕掛けるマルチタイムフレーム(MTF)分析は、確かに理にかなっているため、今では多くのトレーダーが実践するようになっています。
ですが「本当にマルチタイムフレーム分析って必要なの?」と疑問に思う人も多いと思います。実際にMTF分析でトレードをしていても全然勝てない人にとっては、MTFの存在意義を見いだせないのではないでしょうか?
そこで今回は、マルチタイムフレーム分析の存在意義と正しい使い方・考え方について解説します。
ご了承ください。
マルチタイムフレーム分析をやる理由
まずは「なぜマルチフレーム分析をやるか?」ついて考えていきます。
テクニカルの精度を上げるためにMTF分析を行う
まず質問します。
なぜ、マルチタイムフレーム分析をしないといけないのでしょうか?
その答えとして一番多いのが
上位足を見ないと大きな流れが見えない
というものがありますが、これは正しいように見えて間違いです。
テクニカル分析の根本にたどり着いていません。
では答えは何かというと、「テクニカル分析の精度を上げるため」です。
全てはこのためにMTF分析を行います。
大きな流れを見るのも、突き詰めれば精度を上げるための一つの理由に過ぎないのです。
テクニカル分析は日足をベースに作られ、発展してきた
そもそもテクニカル分析というのは日足の分析から始り、発展してきました。
ダウ理論もラインもプライスアクションも移動平均もストキャスもボリバンも日足がベースなのです。
ですから、テクニカルは日足で最も効果を発揮します。
逆に日足よりも時間足が小さくなると、徐々にテクニカルの精度が落ちてきます。
なぜなら、小さな時間帯内での市場参加者の総意となるため、日足と比べれば市場参加者数や取引額の総量は少なくなるからです。テクニカルは、市場参加者数が多く取引量も多い方が精度が上がるのです。
マルチタイムフレーム分析の本当の存在意義
マルチタイムフレーム分析の存在意義とは、
になります。
例えば5分足をメインでデイトレする場合、5分足だけではテクニカルの精度は日足と比べればかなり落ちます。5分足レベルだと異様にレンジが続くこともあれば、ダマシも頻発します。
その精度を上げるために、30分足、4時間足、日足等を組み合わせて見るのです。
これは「大きな流れに沿ってトレードする」と同意義に見えるかもしれませんが、全く違います。
時間足を下げる事で必然的に落ちてくるテクニカルの精度を補うのがマルチタイムフレーム分析なのです。
現在、個人トレーダー行うトレードの多くが日足よりも小さい足を執行時間軸としています。
スイングトレーダーなら1時間足や4時間足、デイトレダーなら15分足~30分足、スキャルパーなら1分足~5分足などです。
こういった日足よりも小さな時間足でトレードする場合は、マルチタイムフレーム分析がトレード結果の向上に繋がることが多いのです。
マルチタイムフレーム分析は必須ではない
場合によってはMTF分析が邪魔になる事も多い
前項の最後で、
- 時間足を下げる事で必然的に落ちてくるテクニカルの精度を補うのがマルチタイムフレーム分析
- 日足よりも小さな時間足でトレードする場合は、マルチタイムフレーム分析がトレード結果の向上に繋がることが多い
と書きました。
これだけを見れば、日足よりも小さな時間足をメインにトレードする場合はマルチタイムフレーム分析が必須のように思えるかもしれませんが、決してそう言うわけではありません。
場合によってはMTF分析が邪魔になる事も多いのです。
「MTF分析をやってるけど、なかなか勝てない・・・」と悩んでいる方の中には、MTF分析のせいでトレードが混乱したり、勝てるトレードを見逃すことになってしまったりしているケースも実は多いのです。
MTF分析が邪魔になるケース
それではMTF分析が邪魔になるケースについて挙げていきます。
- 日足を使った手法にはMTFは不要
- 数pipsだけを狙う手法にもMTFは不要
- 小さな時間足でも十分な精度を誇る手法にもMTFは不要
- 相場分析力の無いトレーダーが背伸びして行うMTFは不要
日足を使った手法にはMTFは不要
前述のようにテクニカルは日足をベースとしています。
ですから、日足をメインに取引する場合は上位足である週足や月足を見る必要はありません。
もう一度思い出してください。
マルチタイムフレーム分析を行う一番の理由は「時間足を落とすことで必然的に生じる精度の低下を補うため」でしたよね。
重要なのでもう一度言います。
期待値を上げることに寄与しないマルチタイムフレーム分析なんて無意味です。
至極真っ当な考え方ですよね。
勝ちにつながらに分析なんてやるだけ時間と労力の無駄です。
更にトレードを判断する際の邪魔にもなり得ます。
数pipsだけを狙う手法にもMTFは不要
例えば5分足で5pips程度を目標に狙うトレンドフォロー手法があったとします。
この手法を使う場合に、1時間足、4時間足、日足のチャートを見てアレコレ考えますか?
私なら考えません。
なぜなら、数pips程度を狙うのであれば、上位足の情報は限りなく不要だからです。
ボラティリティにもよりますが、1時間足以上では数pipsの動きなんてノイズです。
実際、小さなpipsを取るために3つ以上の時間足を見てアレコレ悩んでいる人がかなり多いです。実に滑稽な姿だと思いませんか?
小さな時間足でも十分な精度を誇る手法にもMTFは不要
手法によっては、小さな時間足1つだけで十分な精度が得られるものもあります。
そんな手法の場合、無理にマルチタイムフレーム分析をしようとすると極端にトレードチャンスが減ってトータルの結果が悪くなったり、優位性が大して変わらないというケースもよくあります。
上位足を見ることで、必ず手法の優位性が上がるわけではありません。
ここを勘違いしている人が非常に多いです。
後述しますが、上位足を見て優位性が上がるかどうかは手法によって異なります。
本当に優位性に変化があるかを調べるために、手法ごとに詳しく検証しないと分からないのです。
相場分析力の無いトレーダーが背伸びしてMTFをする事象が多すぎ
相場分析力が無い人が、背伸びしてMTF分析をやって勝てないケースもかなり多いです。
これは恐らくネットでよく見る「MTF分析じゃないと勝てない!」という文言を鵜呑みにしてしまっているからでしょう。
MTF分析は、一つの時間足をしっかりと分析する力が無ければ、全くの無意味どころかマイナスに働きます。頭がこんがらがってどこでもエントリーしてしまいますし、「日足的にはまだ上げだから・・・・」と、損切りをしない言い訳にも繋がります。
MTF分析は違う時間足の動きを頭の中でつなげるものですから、訓練が必要です。
ですから、まずは一つの時間足の動きについてしっかりと理解できるようになる必要があるのです。
マルチタイムフレーム分析をやるべきケース
ではどんな場合でマルチタイムフレーム分析をやるべきなのでしょうか?
それは優位性が増す時です。
一つの時間足を使ったトレード結果よりも、上位足を組み合わせた方が優位性が増すのであればMTF分析をやるべきです。
そうでなければやる意味が一切ありません。
この事実に気付いていない人が非常に多いです。
単に「MTF分析が必要だ!」と誰かが言っていたから、なんとなく真似する人たちが非常に多いのです。
MTF分析することで、どれくらいの優位性が増すのかどうかすら検証せずに、馬鹿の一つ覚えのように感覚的にMTF分析をやっているから勝てないのです。
マルチタイムフレーム分析が必要かどうかは、手法によって違います。
実際に過去の相場で検証して、明確な優位性が得られるのであればMTF分析を取り入れるべきでしょうし、そうでなければやるだけ無駄です。
また、MTF分析についてもどの時間足を使うか、どのような考えの下で分析するかでその結果は当然違います。
この辺は検証次第です。
言ってみれば当たり前の話です。
ですが、検証もせずにマルチタイムフレームを何となくやっている人が本当に多いです。
つまりMTF分析が必要かどうかすら自分で判断することができないトレーダーばかりなのです。自分で必要な情報を取捨選択出来ないトレーダーが勝ち組になれるわけがありません。
勝っているトレーダーが「MTF分析は大事」と言ったら、何も考えずにそれに従う。正に思考停止状態です。
まとめ
MTF分析は絶対に必要ではありません。
必要ならMTF分析すれば良いし、不要ならやらなければ良い。
それだけです。
ただ、相場が動く理由は説明できませんが、少なくとも自分がトレードする手法の一つ一つについては理由を求めましょう。
なぜ自分が現在のトレード手法でトレードしているのか?
これらを自問すれば、自ずとMTF分析が必要なのかどうかが見えてくるはずです。
この記事に関するQ&A集
複数の時間枠を利用してトレードの精度を高める分析方法です。
大きなトレンドを捉え、小さな時間足での精度を向上させるためです。
日足やより長い時間枠を基本とした手法であれば、より短い時間枠の分析は不要であり、逆に混乱を招くことがあるためです。
短期間で小さな利益を目指すトレーダーや、特定の時間足で高い精度が得られる手法を使用しているトレーダーです。