日足は多くのトレーダーから使用される時間足です。
そのため、デイトレでもスキャルでも日足を参考にする価値があります。
しかし、現実には日足を見ないデイトレーダーやスキャルパーが多すぎることにビックリします。
今回の記事では、日足から得られる優位性、そして日足を見る意義について解説していきます。
なぜ日足が有効なポイント
日足が有効なポイントは大きく二つあります。
- 多くの人が使っている
- インジケーターとの相性が良い
多くの人が使っている
日足チャートが有効な理由の一つとして、日足が昔から重宝されて現在の相場にも影響を及ぼしている、という事実があります。
恐らく熟年プロ達の相場分析方法などがベースとなって、その日足分析が集団心理に影響を与えているのでしょう。その意味では日足チャートは常に見ていた方が良いチャートです。
特に日足で目立ったサポレジラインは協力です。
デイトレでもスキャルでも意識しておくべきでしょう。
インジケーターとの相性が良い
日足チャートを生かす最大の理由を一つ挙げるとすれば、それはインジケーターとの相性です。
インジケーターは固定のパラメーターで使用した場合、相場に合うこともあれば全く噛み合わないこともあります。そのような場合は、相場の動きに合うように最適化をする必要があるのですが、ライブで見ながらそうするのは不可能です。
よく使われるパラメーターは1週間に相当する5、2週間に相当する10、一ヶ月に相当する20などです。
インターネットで株や外国為替の売買がまだなかった時代というのは、全てのトレーダーがその道の専門で、主婦などの一般人は皆無でした。当時は日足チャートを手書きで作成していたそうですが、これは日本だけでなく海外のトレーダーもそうでした。
日足という時間の概念が基準になっているのは、古くは酒田五法や一目均衡表でもそうですし、移動平均線、RSI、ボリンジャーバンドなど、現在でも使われているインジケーターも日足をベースに開発されています。
つまり、インジケーターは日足のために作られたと考えるべきでしょう。
そのため、インジケーターを4時間足以下の小さな足に最適化する場合は、パラメーターを変更するという発想が生まれてきます。
しかし、それらパラメーターはそれほどピタリと当てはまるものではありません。
そこで、デイトレードでは日足チャートを見てそのトレンドの方向にポジションを取る、というやり方がトレーダーの間で一般的になりました。
その手法の少し早い仕掛けなら4時間足チャートのトレンド方向も順張りの基準とするのも悪くありませんが、それでもパラメーターとの相性は日足には敵いません。
日足チャートのスイングと1時間足チャートのデイトレ
日足チャートを他のチャートより重視しなければいけない状況を考えてください。
それは、ある重要なポイントを抜けたのを日足チャートで確認できるのがあった場合です。
ある日の高値・安値を何日ぶりに越えたという節目のラインです。
こういう状況がある場合は、日足チャートを見る重要性が他のチャートよりも高くなります。このような状況の中で1時間足チャートを見ていて、「かなり高値・安値になったからそろそろ戻るだろう」、というような逆張りの視線で相場を見ている場合ではないのです。
ポイントは日足チャートで明らかに重要な箇所に差し掛かっているならばそちらを優先する、です。
これはスイングトレードの視点になるわけで、これからいよいよ大きな展開が待っているならば、視野の狭い1時間足チャートなど見ている意味がそれ程ありません。
そして、この逆も同じ考えです。
日足チャートや4時間足チャートで動きが見られないなら、1時間足チャートを見ていた方がずっと為になります。
つまり、1時間足チャートで有利なトレードができる可能性が高いのが、相場が1時間足チャートに合うような動きをしている時なのです。当然のことなのですが、そういう考えもなしにボーっと意味も無くチャートを眺めている初心者はきっといると思います。この事がもう一つ示唆しているのはやはりマルチタイムフレーム分析です。
日足チャートで大きな動きが見られないならその下の時間足チャートを見る、これはつまり、大きな動きがまだない状況なので、こういう時は日足チャートをベースにした順張りができないわけで、それならそういったトレードをせずに徹底的に様子見する方が良いのです。
デイトレのジレンマ
デイトレではトレンドに乗るには遅いケースが多く、むしろやや高値圏・安値圏からの逆張りの方が成功しやすい日が多いです。
このようなジレンマに悩んでいる人は多いと思いますが、これはトレンドの大きさに関係しています。
大きなトレンドになるなら1時間足で完全に傾斜になっていますが、そういった大きな動きは実はそれ程多く見かけるものではありません。
この場合、大きなロウソク数本がトレンドという認識にならない事に注意します。
あくまでも、高値の切り下げ、安値の切り上げが見られ、一連のロウソクがトレンドラインを引いた時に、角度の良い傾斜を形成している状況をトレンドと定義します。
中型のトレンドは良く見かけますが、大型トレンドは平均して1週間に2回あるかくらいです。
このことだけでもデイトレよりもスイングの方がリスクを押さえる事ができるのですが、大型トレンドの初動を掴むのはデイトレになるという魅力も捨てがたいです。
そうなると基本は中型トレンドを意識して逆張りの姿勢で臨みつつ、大型トレンドに乗るチャンスは物にするという欲張りなスタンスもありうるのですが、皮肉にも、順張りをメインにデイトレを考えるとこういうあやふやなオプションが一番良い感じです。
その反面、中型トレンドがいつ大型になるか、いつ大型トレンドが来るかなどの予測は論点にならないくらい意味がないのです。
デイトレードは時間的に中途半端であるという弱点がある為にこうなります。