今回は移動平均線のを使った古典的な手法であるグランビルの法則について解説します。
移動平均線を使わずにトレードする人もいるでしょうが、これほど使い方が多岐に渡った指標はありません。
既に移動平均を使っている人も、初心者の方も、是非ご覧ください。
Contents
脱初心者のための移動平均線の考え方
平均値を超えるポイントは、相場が上昇・下落するポイントでもありますが、超えたからといってすぐポジションを取ると危険です。あくまでも一つの節目と考えましょう。
注目すべきポイントは形と傾きの二つ
移動平均線を表示させたら、その線が描く形に注目します。
ローソク足をそのまま見ると大きな流れが見えにくいですが移動平均線を使うと、滑らかな線で表示されて、どの辺りに平均値があるかがすぐ分かりますね。
トレンドが発生する時には、相場の動きは次第に極端なものになっていきます。つまり、平均値より上か下に行くのです。
ローソク足の動きだけではよく分かりにくい時に移動平均線の傾が役立ちます。
移動平均線の傾き具合でトレンドの強さを判断します。
これでどの時に順張りするか分かりやすくなります。
その一方で、弱いトレンド、もしくはレンジ相場の時は移動平均線の傾きが平たい状態ですので、たとえ価格が移動平均線を越えても買いのエントリーを控えるべきで、まだ様子見の段階ですね。
トレンドがはっきりしている時のエントリーのタイミングは移動平均線を使って判断する場合、押し目買いと戻り売りを中心にやります。このような状況の時にグランビルの法則が利用できます。
グランビルの法則
グランビルの法則は、移動平均線を利用したもので、かなり実践的なテクニカル分析です。
これは大まかな分析として、基本的でとても重要です。
いわゆる価格の動きをパターン化させたものと考えてよいので、これだけでも価格の動きを予測するのに役立ちます。
具体的には以下のようになります。
売買のポイントは8つありますが、これらのポイントは二つの価格の動きに分かれています。
- 移動平均線を超えていく価格の動き
- 移動平均線を抵抗線・支持線としてみる動き
それではそれぞれのポイントについて見ていきましょう。
買いポイント 赤い丸印
①下向きだった移動平均線が横ばいか上向きになり、価格が移動平均線を上に突き抜けた時
価格のモメンタムの動きが平均値を上回った場合の順張りエントリーになります。
価格が移動平均線より下にあるケースだとトレンドの初期に見られる動きをキャッチしたものが典型的です。
②上昇している移動平均線を価格が下まわったが、再び移動平均線を突き抜けて反発した時
反発からの上昇です。これが典型的な押し目買いのエントリーです。
トレンド初期にここで入ると、かなり大きな利益を期待できることが多いですね。
③上昇している移動平均線の上で、価格が下落したものの、移動平均線に触れずに反発した時
これも完全に押し目買いで見られるパターンです。
既にアップトレンド中の価格の動きにリトレースメントが起こり、平均値を上回っている時に見られる価格の一時的な下落ですね。
④下降している移動平均線を価格が大幅に下まわり、乖離が大きくなった時
乖離の大きい場合ですので底(一時的なものも含む)をついた場合の逆張り「買い」エントリーです。
■ 売りポイント 青い丸印
①上向きだった移動平均線が、横ばいか下向きになり、価格が移動平均線を下に突き抜けた時
価格のモメンタムの動きが平均値を下回った場合の順張りエントリーです。
この場合は高値圏からの下落ですのでむしろ逆張りにも見えますが、グランビルの法則のルールでエントリーすると、移動平均線を越えてからの順張りトレードになります。ダウントレンドの初期に見られる動きをキャッチしたものですね。
②下降している移動平均線を価格が上まわったものの、再び下落して移動平均線を突き抜けた時
買いの場合と同様に反発の動きですね。価格が移動平均線に近いので、戻り売りの様にも見えます。
③下降している移動平均線の下で、価格が上昇したものの、移動平均線に達することなく反落した時
完全に戻り売りで見られるパターンです。既にダウントレンド中の価格の動きにリトレースメントが起こり、平均値を下回っている時に見られる価格の一時的な上昇ですね。視覚的には移動平均線が抵抗線のような機能をしている感じです。(そうだからといって移動平均線は支持線・抵抗線の機能があるわけではない)
④上昇している移動平均線を価格が大幅に上まわり、乖離が大きくなった時
④の場合は乖離の大きい場合ですので天井(一時的なものも含む)をついた場合の逆張り「売り」エントリーです。
売買の(4)は、両方とも逆張りトレードを意識したやり方ですが、これにはリスクがあります。
価格が大きく移動平均線を離れたからと言って、すぐに戻る事もありますが、そのまま上昇・下落し続ける事もあります。
トレンドが発生している時にそうなります。強いトレンドが発生している時以外は、移動平均線の付近を行ったり来たりするのが通常の価格の動きとなります。
グランビルを法則を使う際のパラメーターについて
グランビルの法則を考案したジョン・グランビルは200日の移動平均線(SMA単純移動平均線)を用いていました。
しかし、グランビルの法則はどのパラメーターでも利用することが可能です。
具体的なパラメーターは自分で色々いじってみるとすぐに発見できます。
まず5分足チャートでSMAを表示させて見て下さい。
グランビルの法則に合うように価格と移動平均線の位置関係を検証していきます。
様々なパラメーターで10回くらいやればしっくりと合うのが見つかるはずです。
これを1時間足チャートでやりたいなら同じようにパラメーターを変えればOKです。
先の記事にグランビルの法則について書きましたが、これを知っていたからといってその様な状況(グランビルの法則ルールを参照)に遭遇した時、必ずしも相場はその通りに動きません。
そういうパターンがあるというだけの事であり、必ずしもエントリーのチャンスというわけではありません。
しかし、私の経験上からすると、唯一確率が高いのは③のパターンです。しかもある条件が重なる時にそれが通用します。
グランビルの法則の弱点について
グランビルの法則には弱点もあります。
レンジ相場に弱い
移動平均線が横ばいになるレンジ相場がグランビルの法則は苦手です。
そのため、明らかなレンジ相場の時はグランビルの法則を利用してエントリーするのはキケンです。
移動平均線のトレンドの見極めが難しい
移動平均線がある程度の傾斜があることがグランビルの法則では重要ですが、一体どれくらいの傾斜(トレンド)が出ていたらいいのかの判断は利用者が行うことになります。
この辺のさじ加減でトレード結果に大きな違いをもたらします。
グランビルの法則でサインを出すMT4インジケーターがあった!
凄いことに、グランビルの法則でサインを出すMT4インジケーターがあります。
しかも無料で公開されていますのでご紹介しておきます。
なかなか精度も高いですので、お勧めします。
個人的には3番でサインが出る「Granville03」の精度が高いと思います。
このインジケーター単品だけでも使えますし、他のインジケーターを組み合わせてサインを取捨選択することで、もっと勝率を上げられるでしょう。