この記事では大口トレーダーの動きを理解して、サポレジラインから効果的に仕掛けていく方法を解説します。
大口トレーダーとは、メガバンクやヘッジファンドなどの市場を動かせるレベルの資金力を持った人たちのことです。
大口トレーダーの動きを見る方法としては以下の2点があります。
- 注文の集まるレートを探す
- ローソク足のヒゲに注目する
本記事を読むことで、大口のトレーダーがどのようにチャートを見ているかが分かります。
それではご覧ください。
Contents
大口トレーダーを意識したトレード「はさみうち」
「はさみうち」と呼ばれるトレード手法があります。
これは、相場のサポート(支持線)とレジスタンス(抵抗線)の間を上下するレンジ的な動きを狙っていくものです。
このサポレジの考え方をおさらいしておきますと、
- サポート及びレジスタンスは、その水準が破られない限りラインの内側で価格が推移する
- ラインが破られた場合(ブレイク)はトレンドの転換、または現行トレンドの後退を示唆する
というのが一般的な解釈です。
これが「ダマシ」と呼ばれる動きです。
とりわけ通貨の相場においてこの現象は頻繁に見られます。
ダマシが頻発する原因としては、トレーダーがある特定の水準にストップを集中させる傾向が挙げられます。多くのトレーダーは「切りの良い数字」を好むため、ドル円なら100円…100円50銭…101円…といった具合に厚く注文が並ぶのです。
外為市場の場合、銀行間取引のためか、大口の注文がどの水準にあるかといったことはある程度トレーダー間で知れ渡っていると考えて良いでしょう。
短期筋のプロの大口トレーダーの戦いは、「ストップを付けるか付けられるか」といった側面が強いようです。つまり、相手のストップを利用して自分が仕掛けたポジションを利食ったり、新規のポジションを取るわけです。
非常に泥臭いというかずる賢いやり方ですね。
この理論を発展したスマートマネーコンセプトというものもあります。
詳しくは以下のサイト様をご覧ください。
大口トレーダーの動注文状況をどうやって把握するか?
それでは、大口トレーダーの注文状況を把握する方法について解説します。
やり方としては冒頭でお伝えした通り、以下の2つになります。
- 注文の集まるレートを探す
- ローソク足のヒゲ
注文の集まるレートを探す
最も重要なのが「注文の集まるレートを探す」ことです。
これがわからなければ、大口の意図を捉えることは全くの無意味になります。
注文の集まるレートは、基本的には「意識されやすい価格」となります。
つまり、サポレジラインなどを使って探し当てればいいのです。
それでは注文の集まるレートを探すテクニックをご紹介します。
サポレジラインを手で引く
一番メジャーなのは自分の手でサポレジラインを引くことです。
サポレジラインというのは直近の高値や安値など「他のトレーダーが意識しやすい」価格帯のことになります。
この価格帯は当然ながら銀行やファンドなどの大口も意識しています。
つまり、しっかりとサポレジが分かれば、サポートの少し上くらいには買い注文が入っており、逆にレジスタンスの少し下には売り注文が入っていることが容易に分かってきます。
サポレジラインの見極め方は慣れが必要ですが、何度もブレイクしそうでしない水準こそサポレジラインとして有効に機能します。効果的なサポレジラインの見つけ方については以下の記事をご覧ください。
オープンポジションを見る
サポレジラインを引くのに自信が無かったり、できるだけ客観的なデータを重視したい!という方には、オアンダのオープンポジションをお勧めします。
これは、オアンダで口座を開くともらえるインジケーターで、オアンダの全顧客の注文状況がチャート上に表示されます。
そのため「どのレートに売り注文や買い注文が多いか」が完全無裁量でわかります。
マーケットプロファイルを使用する
少しマイナーですが、「マーケットプロファイル」という指標も注文が溜まっているレートを探すのにかなり有効です。
マーケットプロファイルとは、特定の時間帯にどれだけレートが滞在したかを示すもので、長い時間価格が滞在したレートほどヒストグラムが横に長く伸びます。
ヒストグラムが長く伸びた価格帯は「長い時間価格が滞在した=沢山取引があった」と解釈できますので、その価格帯では未決済のポジションが多く残っている、と解釈することができます。
キリのいい数字を意識する
切りのいい数字というのは111.00円などのダブルゼロや110.00円などのトリプルゼロラインです。
切りのいい価格帯は誰でもわかるため軽視されがちですが、かなり効果があります。
特にこれまで解説したサポレジライン等が切りのいい数字と重なっている場合は、当然ながら大口もかなり意識していると考えていいでしょう。
大口の注目していそうな価格帯で長いヒゲを意識する
大口が注目していそうな価格帯が見つかったら、その価格帯にタッチした足のヒゲに注目しましょう。
目立って大きなヒゲのある足が出現していたら、それは反転のシグナルとなることが多いです。
例えば上のチャートの赤いラインはレジスタンスラインですが、この価格に近づいてヒゲの目立つ陰線が出現したということは、激しい売りと買いの攻防の末、売り手側が勝利したことを意味します。
つまり、ローソク足を確認することでその価格帯における細かな流れが見て取れるのです。
大口の注目するレートにおける実践的な戦略
これまでの解説で、大口トレーダの動向を理解する方法はわかったと思います。
ここからは、実際の私の仕掛け方に解説します。
注目されやすい価格帯で私がよくやるトレードは、サポートやレジスタンスの前後に分散してポジションを取る方法です。
例えばドル円の現在値が100円20銭でサポートが100円丁度と仮定します。
買い目線で、価格が100円に近づいてきて買い時に迷う状況です。
今すぐ100円20銭で買うべきか、100円丁度で買うべきか、あるいはダマシのブレイクを狙って100円割れの水準まで待つべきか・・・。
こんなときは、ポジションを複数枚持てるのであれば、まず最初に100円20銭で1枚買い、もし相場が100円を割り込むようなら、例えば99円90銭などでもう1枚買います。
あるいは最初に1枚、下で2枚といったように二回目のポジションを厚くするのも手でしょう。
このようにポジションを構えることで、100円割れに至らずに相場が反転しても利益になり(機会損失回避)、100円を割れた場合には首尾よくポジションを持つことができます。
一つの仕掛けに複数ポジションを持つことのメリット
一度にポジションを建てようとすると、早仕掛けや機会損失を招くことがあります。
こうしたトレードを私はナンピン(買い下がり、売り上がり)とは区別して考えます。
確かにやっていることはナンピンなのですが、こちらは計画性があり、リスクを理解した上での判断です。
ダマシの多いFXでは繊細な玉操作が有効なケースがあるので、もし複数枚建てられる余裕があるなら、サポートライン・レジスタンスラインの上下に分散して仕掛けてみてください。
スキャルピングのような素早い判断を要求されるトレードにおいてもこの手法は有効です。
仕掛けを複数持つことでトレードの幅が広がる
多分、多くの人が分割エントリーをしていないと思います。
分割エントリーしていたとしても、行き当たりばったりのナンピンだったり・・・と計画性のない分割エントリーでしょう。
しかし、事前にプランを持った分割エントリーは、リスクを分散させると同時に、相場の動きに合わせて柔軟にポジションを変更できるメリットがあります。
トレーダーによってはこういった玉操作が相場師の技量だ!と主張する人もいます。
仕掛けのタイミングを複数回に分けるやり方を実践してはいかがでしょうか。
今回の記事もお役に立てれば幸いです。