日本人トレーダーに「最も馴染み深いチャートは何か」と聞いたら、まず間違いなく「ローソク足チャート」という回答が得られるでしょう。

「ローソク足」は現在では世界的に利用されている日本生まれのチャート表記方法です。

これを活用することで、特定の時間における「始値」と「終値」、また「高値」と「安値」のみならず、相場の流れや勢いについても一目で把握することが可能となるため、世界中で普及しているわけです。

また、「ローソク足」以外にも、「平均足」や「一目均衡表」など、日本に起源を持つテクニカル分析の手法は幾つも存在しています。

その中で、ひときわ異彩を放つのが「練行足」です。

練行足とは、時間の概念を取っ払って、値動きだけに集中して価格変動を記録するチャート表記方法です。

ローソク足よりもシンプルな見た目で、相場のトレンドがわかりやすいという利点があります。

そこで今回は練行足について詳しく解説していきます。

日本生まれの「練行足」

「練り足(ねりあし)」とも呼ばれる「練行足(れんこうあし)」は、“日本の古典的なテクニカル分析指標” という意味では「ローソク足」と共通しています。

しかしその特性においては、決定的な違いがあります。

その “決定的な違い” とは、「ローソク足」が「時系列系」のテクニカル分析指標であるのに対し、「練行足」は「非時系列系」に属する分析指標であるという点です。

「時系列系」と「非時系列系」・・・。

この違いは圧倒的に大きく、まるで概念が違ってきます。
本当に同じ価格変動を示したチャートなのか?と思えるほどに違いが出てくるのです。

ではローソク足チャートと練行足との違いをご覧ください。
どちらともドル円日足で2017年から2022年ごろまでの期間を示しています。

まずはローソク足です。

約5年分の値動きですので、このサイズにしたら足1本が本当に小さく見えますね。

では次は同じ期間を練行足で示します。

本当に同じ期間を表示したものか信じられないくらいに足の本数が減っています。

これこそが時系列チャートと非時系列チャートの違いです。

「時系列系」と「非時系列」との違い

ローソク足を用いる「ローソク足チャート」においては、任意に設定した時間が経過することで、自動的に次の足が形成されます。

つまり「一定時間の経過」こそが、足が形成されるための条件になります。

これに対し、「練行足チャート」においては、「時間」という要素は、足の形成条件には全く関わりません。

そのため、「時間的な要素の関わらない特定の条件」を満たした場合にのみ、次の足が形成されることになります。

ここで時系列系と非時系列系についてまとめます。

  • 時系列系:「時間に関わる要素」も取り入れながら相場やチャートの分析を行う系統の指標や手法
  • 非時系列系:相場やチャートの分析に「時間に関わる要素」を取り入れない系統の指標や手法

「練行足」の特徴とは?

では、肝心の「練行足」における “時間的な要素の関わらない特定の条件” が一体何なのかと言えば、「基準となった価格から一定以上の値動きが起こる」です。

裏を返せば、「一定以上の値動きが起こらない限り永遠に足が形成されない」ということでもあるため、時系列チャートにおいて何本も足が形成されている間に、練行足チャートの方では一本も足が形成されないという事態も起こりえます。

ただし、時間的な要素に左右されないということは、純粋に「特定の要素」だけについて相場を分析することが可能ということでもあるため、「練行足」は 「値動きに特化したテクニカル分析指標」 と言えます。

なお、足を形成するための値幅は、任意の値に設定することが可能ですが、足の形成においては二つのパターンが存在しており、それぞれの場合において条件設定が異なります。

パターンA:一定方向への値動きが続く場合
条件:「指定した値幅以上」の値動きが起こる
パターンB:上昇または下落に転じる場合
条件:「指定した値幅の二倍以上」の値動きが起こる

「練行足」チャートにおいて、どのように足が形成されていくかについて、表で解説します。

足の形成条件となる値幅については、「50pips」に指定したものとします。

日数

価格

変動幅(前日比)

変動幅(繰越)

足形成

1日目

100円00銭

2日目

100円35銭

+35pips

+35pips

×

3日目

100円55銭

+20pips

+55pips

↑(陽線)

4日目

101円10銭

+55pips

↑(陽線)

5日目

100円40銭

-70pips

-70pips

×

6日目

99円90銭

-50pips

-120pips

〇(陰転)

7日目

99円30銭

-60pips

↓(陰線)

8日目

100円40銭

+110pips

〇(陽転)


9日目

100円65銭

+25pips


+30pips


×

10日目

101円50銭

+85pips

+110pips

↑↑(陽線)

まず、2日目に「35pips」の高値方向への値動きが見られますが、足を形成するための条件となる値幅の「50pips」に届いていないため、足は形成されません。

三日目にさらに「20pips」だけ同一方向へ値動きしたことにより、累計が「55pips」になります。
「50pips以上の値動き」という条件が満たされたことで、陽線が形成されます。

その後、4日目には、「55pips」の価格上昇とともに条件が満たされたため、さらにもう一本の陽線が形成となります。

また、五日目には「70pips」もの下落が起きていますが、「陰転」の条件となる「指定した値幅の二倍以上の値動き」には届いていないため、足は形成されていない。

ただし、六日目に下落幅の累計が「120pips」となり、上述の条件が満たされたため、陰転が起こり陰線を形成します。

そのまま七日目も安値方向に「60pips」動き、「同一方向への50pips以上の値動き」が起こったことで、陰線がさらに一つ追加で形成さます。

「陽転」と「陰転」

価格の上昇傾向が続く中で、相場の流れ一気に下落傾向へと転じることを「陰転」と呼び、その逆の現象のことを「陽転」と呼びます。

また、「練行足チャート」において陽転または陰転が起こった場合、自動的に「陽線(高値方向に条件が満たされた場合に形成される足)」または「陰線(安値方向に条件が満たされた場合に形成される足)」が形成されることになります。

なお、一般的に「練行足」において、陽転は「買いシグナル(買いポジションを建てる合図)」あるいは「上昇トレンド」、陰転は「売りシグナル(売りポジションを建てる合図)」ないしは「下降トレンド」と見なされています。

 

一方、8日目には、一気に価格が「110pips」もの上昇を遂げており、「陽転」の発生とともに一本の陽線が追加となります。

9日目は高値方向への値動きを見せるも、条件を満たせなかったため、足は形成されず。

そして、10目には、上昇幅の累計が「110pips」に達したことで、足形成の条件が二回満たされており、二本の陽線が形成されるに至っている・・・ということになります。

「練行足」の利用方法について

「価格変動」以外の要素はすべて取っ払ってしまっている「練行足」は、その構造の単純さに起因する扱いやすさもあってか、国内よりもむしろ海外のトレーダーに愛用者の多いテクニカル分析指標になっています。

一方、そのシンプルさとは裏腹に、他のインジケーター類と組み合わせた利用法など、「練行足」を用いた分析手法は数多く開発されていますが、今回は「練行足」単体での最も代表的な活用方法に絞って紹介します。

サポートラインとレジスタンスラインを見つける

「サポートライン(下値支持線)」や「レジスタンスライン(上値抵抗線)」のレベルを見出すという手法は、まず間違いなく最も代表的な活用例になります。

時系列チャートになると、ノイズ的な動きや動きの悪い日もあってわかりにくくなるサポレジゾーンも、練行足を見れば一目でわかります。

ブレイクアウトの発生を検知する

サポートやレジスタンスをブレイクしたポイントはブレイクアウトを狙うエントリーとして利用できます。

kれおも「価格変動」の分析に特化した「練行足」の特性を活かした用例になります。

まとめ

「ローソク足」や「平均足」に比べて、やや知名度では劣る「練行足」ですが、単体での利用はもちろん、各種インジケーターと組み合わせることで応用の可能性が大きく広がるため、テクニカル分析指標としての有用性については高いといえます。

例えば、「売られすぎ」や「買われすぎ」の判断をより正確に下すために、定番インジケーターの「RSI」と組み合わせて利用する分析するのは非常に効率がいいです。

なお、条件設定や相場の状況によっても大きく左右されるが、「一定以上の値動きが起こるまで足が形成されない」という特性上、基本的にシグナルの発生ペースは少なめです。

そのこと自体は悪いことでも何でもないが、そのためスキャルピングのように高い頻度で取引を行いたい場合よりは、デイトレードやスイングトレードなど、比較的に緩やかなペースで取引を行う場合の方が、より「練行足」の利用は適しているといえます。

尚、MT4で練行足を表示する方法については以下の記事をご覧ください。

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